great兄やん

ローマの休日 4K レストア版のgreat兄やんのレビュー・感想・評価

5.0
【一言で言うと】
「1日限りの…」

[あらすじ]
ヨーロッパを周遊中の某小国の王女アンは、常に侍従がつきまとう生活に嫌気が差し、滞在中のローマで大使館を脱出。街中で彼女と偶然出会ったアメリカ人新聞記者ジョーは、大スクープのチャンスとばかりに、彼女が王女だとは知らないふりをしてガイド役を買って出て、観光気分にはしゃぐアンの姿をカメラマンの同僚アービングに撮影させることに...。

名作は再見する毎にその輝きを増す。まさにその言葉に相応しい映画であり、不朽を飛び越えた“永遠の”名作として目に焼き付く素晴らしさが変わらずそこにあった。

あまりにも有名過ぎて映画館で観るよりかはBSやレンタルで観る機会が多かったのだが、やっぱり映画館で観てこその“魅力”と“感動”の底知れなさを改めて実感。4Kでレストアされたその美しさはまさに初めて観た時以上の“輝き”を感じましたね😌...

とにかくオードリー・ヘプバーンの溢れんばかりの美しさと可憐さ。もはやこれを無しには今作を語れないレベルの重要な“彩り”ですし、70年経ってもなお変わらず虜にしてしまうあの魅力はまさしく“唯一無二”と言っても良いほど。
女王という気品がありながらも、一歩外へ出るとお転婆でお茶目な少女としてスクリーンに映る彼女の姿に“分かっていても”ドキドキさせられますし、笑顔もチャーミングで髪型も可愛いしジェラートを食べる姿さえも映えるって...いやマジで、“最強で無敵”かよ(・・;)…

それにストーリーも上質かつ上品なラブコメとして仕上がっており、“王女と新聞記者の許されざるロマンス”という展開の面白さもそうだが、なんと言ってもセリフの言葉選びやコメディセンス、それにグレゴリー・ペックの名“アドリブ”など、一つ一つの瞬間が色褪せないロマンチックな“名シーン”として記憶に定着させてしまう、あのワンシーンの“威力”というのが本当に強すぎるんですよね(^◇^;)

そんなロマンスも“終わり”を迎えて、また違う形で対面するラストシーンがある意味この世の映画のラストシーンの中で別格とも言える切なさを放っている。言葉ではなく表情で“惜別”をサラッと表現するあの小粋さもですし、二人の瞳に涙を浮かべて公務を遂行するあの瞬間が本当に切なくて切なくて😭…当時初見で観た時はそこまで特別な感情は抱かなかったのですが、やはり劇場で観るとなるとそのインパクトが凄すぎて思わず涙してしまいましたね😢...

とにかくこれを名作と言わずしてなんと申すのか、幼き冒険心に心を躍らせ大人な両者の恋心にいつしか身も心も魅了される、ありとあらゆる傑作へのピースが全て揃った完璧すぎる一本でした!!!

王室を飛び出し“自由”を謳歌したアン王女と振り回されつつも誠実で”紳士“に振る舞った新聞記者のジョー。神秘的な彼らの間柄を決して”恋“という一言では済ませられない特別な”距離感“がありましたし、予定調和なラストではないからこそラストの”別れ“ がより一層絶対的な瞬間として脳裏に焼き付いてしまう。

1日限りの”休日“が永遠の”記念日“に。たとえ制作から100年が経とうとも、今作の輝きは消えることはないと思います😌...