ベイビー

哀れなるものたちのベイビーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
ヨルゴス・ランティモス監督さん

いつものことですが、あなたの言いたいことがよく分からなかったです。

物語の一言一句を深追いするべきなのか、それとも何も考えない方が正解なのか、よく分からなさ過ぎるストーリー展開に、今日も悩まされてしまいました。

以前はあなたのことを勝手に“メタファー王”とお呼びし、難解すぎる作品をいろいろ考察してみたのですが、でも結局なにも分からないまま、時間を無駄に浪費していました。

しかし本作はどうしたものでしょう。考察する意欲も失せるほど、序盤から意味が分からないじゃないですか? いや、分からないわけじゃないんです。ストーリーは全然追えますよ。でも展開が遅い上に話が長すぎて、物語の主題がさっぱり入って来ないんです。

そりぁ映像とかはめちゃくちゃ綺麗で、それだけでも見応えはありましたよ。「女王陛下のお気に入り」では広角レンズを多用していましたが、本作では広角レンズと併せて、望遠レンズやマクロレンズ、そして魚眼レンズの多用の他、ドアの覗き穴みたいなレンズも使っていましたからね。「レンズの見本市か」ってくらい画角の面白さはありましたよ。

それで勝手に、このレンズの使い方になんか意味あるのかなぁって勘ぐったりするんですけど、あれ絶対に意味ないですよね。いつも要らないところに気を取らせておいて、雰囲気だけかいっ!ってこと、多々ありますよ。あと、ラストはラストでよく分からないし…

いつもこうやってランティモス監督の作品を観た後にいろいろと悩まされて、結局何も分からないから、次回はまあ観なくてもいいか。とか思ってしまうんですけど、でも新作が出たらやっぱり観ちゃうんですよね。

昔よく母が「最近の人たちの曲はよく分からん」と文句を言いながら、毎年必ず大晦日のNHK紅白歌合戦を楽しみにしていましたから。きっと、その心境と同じだと思います。
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