伏見の剛力

哀れなるものたちの伏見の剛力のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.8
ヨルゴスランティモス作品はロブスター、鹿、女王しか観たことありませんが1番エンタメに富んでるというかファンタジーでそんな小難しくもなく笑いながらツッコめる作風になっていて多分アメリカとかでは笑いが起きやすいんじゃないでしょうか。

ティモスの作品って社会風刺や宗教や神話やら歴史やらお高くとまってるイメージあるじゃないですか正直前述した作品は心の底から楽しめたかと言ったら嘘になりますよしかし哀れなるものたちはフェミニズム?フランケンシュタインの歴史?そんなもん知らんしどうでもいいとあしらえるほどシンプルな物語の構成の上で我々の現実にも蔓延るタブーをエマストーン演じるベラがしっちゃかめっちゃかに向き合っていく破壊力に段々私も作中の男共と同じで好きになってきましたね。

これも 予告編は見ておらずヨルさん監督、エマストーン、ウィリアムデフォー、マークラファロが出ていてアリシアヴィキャンデルのエクスマキナみたいなもんだろとそりゃ観に行くっしょぐらいのスタンスでしたよ。

ところがどっこいざっくり言うと自殺したエマストーンの綺麗な死体に赤ちゃんの脳を移植して見た目は大人、頭脳は赤ちゃんその名もベラとなっていたわけですな。

で、早い段階である翌朝ここの部分は何?とクリを弄ってなにこれ!こんな簡単に高揚できて自分を開放出来るなんて凄い発見だわおいお手伝いさんあなたもやってみて!と相手のアソコを触ったりとまあ赤ちゃんだからなと穏便に流れるんですよ誰も彼女にそれはまだ早いとか注意する人物は皆無、性に貪欲な赤ちゃんなんてこったい!

それからは紳士のマークラファロと赤ちゃんのベラが恋をしてラプンツェル状態つまりウィリアムデフォーに監禁された現状を打破してエマストーンの体だからか認知能力に長けた赤ちゃんが本当の愛を知って第二の人生を得るみたいなよくあるディズニーやら使い古された束縛からの開放なんですかぁ?ヨルさん?と高を括る準備万全でしたがいやあ流石にそうはいかなかった。

ネタバレになるんで多くは語りませんがマークラファロが紳士ではないんですね、それにベラはまだ愛が何なのかわかるはずがないので快楽主義つまりヤリマンですな、それにウィリアムデフォーが案外あっさり監禁してたベラの外出を許可するんですよ普通この時点で一悶着ありそうではありませんか。

もうこの物語序盤の展開でR18のシーンってまだ序の口でヨルさんはディズニーを撮りたいんじゃないんだと我に返りベラの動向に釘付けになりつつもなぜかハラハラしながら親目線で見守る自分もいるんですよだって赤ちゃんですからね脳が。

普通エマストーンの乳首見れば勃起するんですよアソコとかモロダシですからしかし隠しなさい…ベラ…隠しなさいとでもエマストーンだしな〜ラッキーとはいかないんですねエクスマキナも勃起できませんでしたからねやっぱり設定がリビドーを抑制してるんですかねavでもレイプものでは勃起出来ませんからね私は。

この赤ちゃんかエマストーンかと葛藤するよりも赤ちゃんがエマストーンの体で性の喜びフェミニズムを真っ直ぐに学んでいくのがめちゃくちゃおもしろいんですよ。

だって入れ替わりの映画って多々ありますが赤ちゃんが大人の女性になる映画ってあるんですか?ネトフリかなんかで赤ちゃんと犬が入れ替わり面白いことになってましたがそれはコメディ止まりの演出ですよね。

あるとしても赤ちゃんが大人の女性に入れ替わったベラがクリトリスが!ヒダが!あのザラザラが!柔らかいところが!何回もしよう!という快楽主義に熱っぽいラヴストーリーにはもう酔えない私としては面白いんですよ。

勃起するって意味じゃないですよ、AV女優ではなくハリウッド女優エマストーンですからねセックスして赤ちゃんの脳で演技しなきゃいけないんですよ10代20代の処女の喘ぎじゃないんですよ赤ちゃんの喘ぎなんですよ赤ちゃんが性に自由奔放っていう他の映画なら省いたりセリフで説明されるような表現を真っ向から挑んでいるエマストーンにこれは題材的にも少し似ているバービーのマービーよりもアカデミー賞 主演女優賞に近いんじゃないでしょうか。

ちんこ普通に触ってましたしヨタヨタ歩きとか食べ方とかモラルの範疇ぶっ飛んでましたからねそんなベラに優しく接するどこぞの貴族の御婦人も懐深かったですしマックスも脇役かと思いきや以外にも重要な役の落とし所と中々エマストーン中心に長尺ながらも終始惹きつけられるエンタメでしたね。

個人的にブラックジョークやフェミニズムとか社会風刺とか男尊女卑とかそんなん抜きにしてというかどうでもいいんですよほんと、逆に男が悪いと説教がましくてもいいんですよ面白ければ、面白いんだこれが。

バービーは人形、マイエレメントは炎と水、とかいろいろありますがこの映画の肝は赤ちゃんの体で赤ちゃんがセックスしてたら児童ポルノなんですよ。しかしエマストーンの体で赤ちゃんがセックスしてしてるんでここまで道徳やレーティングを掻い潜った演技に見応えのある映画が他にありますか?

赤ちゃんではありますがエマストーンの体なので覚えも早く物語が進むにつれて少しずつ大人びて見えるので赤ちゃん?エマストーン?いや赤ちゃんだよ、でもエマストーンと徐々にリビドーのコントロールが危うくなる感じもまた良い。

あの店に子どもたちを連れて行く親父あれは笑いましたね。

パンフ買おうと思ったら上映前後かつてないくらい長蛇の列があり諦めましたガンダムSEEDフリーダムの劇場限定プラモのせいなんですねクソが。
伏見の剛力

伏見の剛力