レオピン

アポカリプトのレオピンのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
3.7
マヤ文明怖いなー

ジャングルで狩猟採集生活をおくっていたとある部族。ある日他の部族に襲われさらわれてしまった。労働力として売り飛ばされるのかと思っていたら、奴隷として売られるのは女たちだけ。買い手のつかない子供や年寄りは放っておかれ、若い成年男子はというと。。

生け贄の祭壇に連れ出されるところはさすがに異様な雰囲気に包まれていて、こういったあたりメルギブは『マッド・マックス/サンダードーム』の現場で覚えたのだろうか。
『ブレイブハート』でも主人公の目前で恋人の首が切られるという残酷場面があったが、やはり同じように尊敬する父の首が目の前で切られるというのがあった。メルの頭の中をのぞいてみたい。父は「怖れるな」と言い残して死んでいった。。

日蝕のため儀式は中断されたので男たちはいったん用済みとなった。また次の儀式に使えばいいのにとか、せっかく拉致部隊のみなさんが苦労して連れてきたんだからとか思ってしまうが、とにかく始末せよとの事。コーン畑で半分ふざけながら、お前らここから逃げ切れたら釈放だからなーとか言って走らされる。
よーいどんで後ろから弓や槍や投石器なんかで襲ってくる。中でもトドメ役に隊長の息子が名乗り出るがコイツがまだ若手なのでビュンビュン走って異様なやる気を見せている。

一人目ヤられ、次は同時に二人。あのいつもみんなにからかわれていた巨体のいい奴、ジグザグに走りうまく攻撃をかわしていくが、ゴール間近で槍に刺されてしまう。
次は主人公。以前出遭った隣村の男とペアだ。
同じようにジグザグで逃げるが、隣りの男はあっさり後ろから槍で突きぬかれる。口まで串刺し。主人公も攻撃を受けるが、致命傷とはならずにデブの助けもあり近づいてきた隊長の息子を返り討ちにする。

ここからは怒りに燃える隊長の精鋭たちが追って追って追いまくる。映画はとにかく追跡劇逃走劇に。逃げろや逃げろ

黒豹先輩に助けられ、滝からダイブ、底なし沼にもはまり、しまいにゃ俺の森なんだと開き直って、蜂の巣を仕掛けたり、毒ガエルで毒矢を作って敵に命中させたり。「死にぞこない」と仇名をつけた宿敵を返り討ちにしていよいよ故郷の村に帰っていく。

その間残された妻子は井戸のような竪穴に避難していたが雨の水とお産でパニック状態になっていた。

いよいよ残る追っ手もあと2人となったところで、浜辺で見たこともない大きな船が沖合に浮かんでいるのを目撃。小舟に乗って誰かこちらに向かってくる。先頭には僧侶らしき人物が。
時は大航海時代。スペインによるアメリカ大陸侵略の幕開けといったところで終わった。。

残虐度合いでいったらマヤ文明よりも圧倒的にスペイン(キリスト教)なんだろうが、しかしマヤもなかなかやね。だがどう考えても狩猟採集生活をしていたのは紀元前300年、マヤ文明の全盛期が8・9世紀、スペイン人の入植は15世紀末。じ時代が合わないんですけどね…

残虐のマウント合戦、力による啓蒙。思想は間違っているけどオモシロい映画でした。

(2019.7)
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