HK

アポカリプトのHKのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
3.8
メル・ギブソン監督によるマヤ文明後期のアメリカジャングルを舞台にしたアクション映画

マヤ文明は確かに偉大な文明ではあるが、その裏には必ず影がある。太陽神への崇拝と都市の発展のため、森にいる他の部族を搾取し、奴隷として連行したり、天災に悩まされていれば生贄として彼らを殺すこともあった。このような様子をとても冷酷に描いているのがとても良かった。

そして、主人公のジャガー・パウの逃走劇もとても見応えがあった。特に運もあるが好機を決して逃さず利用し、見事に逃げ、さらには相手を罠にはめたりするなどして、結果的に少女の予言通り追ってきた人間を殺していくのはとても見応えがあった。物語通してマヤ族の残虐な行為を見せつけられるため、彼らがその仕返しを受けるシーンはとてもすっきりした。

そしてラストもまた印象に残る。今度はマヤ族全員がスペイン艦隊にいる人々に侵略される側となる。支配する側と支配される側の関係は常に立ち代る、それは時代や場所に関係なく人間世界に普遍的に残っていることだということをまざまと予見できるラストで、とても印象に残った。
HK

HK