Norisuke

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のNorisukeのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦直後のイタリアはヴェネツィア。探偵業を引退して一線を退いたエルキュール・ポワロは作家のオルガの誘いを受けてとある霊媒師のトリックを見破る為に、子供の霊が現れると言う謎めいた屋敷に招待される。その晩、招待客が人間には不可能と思われる方法で無惨にも殺害される。嵐の影響でゴンドラは朝まで来ず、容疑者と一緒に閉じ込められるポワロ。犯人は果たして、人間なのか、幽霊なのか…な話。

ケネス・ブラナー監督・主演の3作目。オリエント急行の時はちょっとスリムになっちゃったポワロさんに違和感があったけど、囁き低音ヴォイスで犯人を追い詰めていく2時間サスペンス劇場的な雰囲気が好きで追っているシリーズ。
何より、ミシェル・ヨー姐さんが謎の霊媒師役でポワロと対決…なんて言い出されたら、観に行かなくてはなりますまい。
というくらいの事前情報で観に行ったので、上映中は割と楽しめた。かなり引きのアングルで撮ってもその時代に見えるヴェネツィアの街並みやファッション、何よりやたらと豪華なキャストが物語に花を添えている。
ミステリ映画としてはポワロさんが御乱心しながらも、クローズドサークルの中でしっかりと推理を組み立てていくのが楽しい。容疑者全員に何かしらの関わりがあり、それを紐解いていくカタルシスが味わえる。ほぼ画面暗いけど。
そして何より、ミシェル姐さんのアヤシサ大爆発な霊媒師っぷりを観れただけでも満足。
…とまあ、鑑賞直後はそんな感想だったんだけど、ふと、『ハロウィーン・パーティ』ってこんな話だっけ…?という疑問が湧いた。遥か昔に読み漁った時の記憶しか無いのでWikipediaさんに頼ってみたら、リンゴ食いゲームやリスト作りなど、エッセンスは抽出してあるもののまるきり別のお話になってたのには驚き。原作ファンは激怒するかもしれない。
4作目もこの独自解釈路線でいくのかなー。個人的にはそろそろ、スタイルズ荘かABCあたりお願いしたい。でも、そして誰もいなくなったを独自解釈路線はやめてほしいかな…。
Norisuke

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