回想シーンでご飯3杯いける

違国日記の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

違国日記(2023年製作の映画)
4.0
原作の漫画は未読。交通事故で両親を亡くした女子中学生と、彼女と同居する事を決意した叔母の生活を描く。

叔母役の新垣結衣は「正欲」に続いてマイペースで笑わない人物を好演。彼女が結婚後にフリーランスになっていた事を最近知ったのだが、そこから自身の持ち味を活かす仕事を選ぶようになったという事かな。20年ほど前に放送されていた深夜のコント番組「落下女」でバナナマンやおぎやはぎのギャグにクスリとも笑わない役を好演していた彼女を思い出して、懐かしくもあり、嬉しくもあり。

さて本作。その新垣結衣が演じる叔母がなかなかクセ者で、周囲の流れを読まない、それでいて正論を連発するので、会話のやり取りから目が離せない。長尺でありながら時間が過ぎていくのが速い速い。

一方の女子高生を演じる早瀬憩は、少し前の河合優実を思い起こさせる飾らない演技が印象的。

大人が少女を導くだけではなく、少女も大人の女性を変えていく。究極的に言うと、映画ってサイレントの時代から人と人が出会う事によって訪れる変化を捉えるものだと思っている僕にとって、とても魅力的な作品だ。