miwan

ステイのmiwanのレビュー・感想・評価

ステイ(2005年製作の映画)
4.0
不意に一瞬、眠りに落ちた時、その時間にそぐわないとんでもなく長くて深い夢を見ることがある。

絶対に一秒二秒のはずなのに、登場人物ひとりひとりの性格やバックグラウンドを把握してるし、いろんな出来事が起こってひとつの(ひとつ以上の)お話になってるし、うれしかったり悲しかったり怖かったりちゃんと感情もある。景色もある。

言葉にしたらとんでもなく長いお話になっちゃうけど、確かにワタシの頭の中にはある。漠然としてるけど確かな物語の塊がふわふわと浮いている。

そしてワタシの意識は、自分自身の中にあったり客観的に見えたり自由自在だ。

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精神科医のユアンのもとに自殺をほのめかす青年ヘンリーが現れる。自殺の日にちと時間を告げユアンの前から姿を消し、またふっと現れる。ユアンはヘンリーを追い、ヘンリーの家族を追い、ヘンリーの生い立ちを追っていく。

現実的でも幻想的でもある風景や、違和感のある人びと、不思議なフラッシュバック、時間の捻じれ、どこまでが現実でどこまでが夢なのか境界線がない世界。ユアンの精神が崩壊してしまったのか、それともそもそもユアンは存在しないのか…
そんな感覚に陥るような作品だった。

でも、ヘンリーの目の前にちゃんとユアンはいたし、ヘンリーを罪の意識から救ったのもきっとユアンなんだよね。
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