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神の道化師、フランチェスコ デジタル・リマスター版のmiwanのレビュー・感想・評価

4.0
『神の道化師』という枕詞がぴったりな作品だった。

フランチェスコと11人+1人の修道士たちは、清貧を貫き、教えを説くことにすべてを捧げている。裸足に粗末な僧衣をまとう彼らは、決して「苦行」を行っているのではなく、何かいつも楽しげで、ともすれば思わず笑ってしまうような滑稽さや愚直さに溢れている。
中でも、修道士ジネプロの迷いのない謙虚さと信念には、ついつい笑いが込み上げる。でも、それは決して嘲笑ではなく、絶対に手が届かないところにいる者への尊敬と愛着と親近感が入り混じったような笑いだ。
+1人として登場する老人ジョヴァンニも、愚直で道化師そのもののような存在だし、暴君ニコライオですら、「宙吊りの」道化師だ。

そんな修道士たちを演じていたのは、俳優ではなく本物の修道士だということに、驚きとリアリティを感じる。
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