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マルケータ・ラザロヴァーのmiwanのレビュー・感想・評価

マルケータ・ラザロヴァー(1967年製作の映画)
3.8
13世紀半ばのボヘミア王国を舞台とする叙事詩

誰が喋っている声なのか、はたまたナレーション?なのか、、映像と音声がシンクロしていなくて、なかなかわかりづらかった。なので、途中まで観た段階で登場人物を整理して、もう一度最初から観直した。

それでもやっぱり、突然切り替わる映像やあちらこちらから聞こえてくる罵声のような音声に振り回されながらも、何とか最後まで観ることができた。
詩的な作品なので、つじつまを追うのは無粋だろう。わかりにくい部分があったとしても、幕間の字幕が出来事を要約してくれている。(ある意味ネタバレ)

マルケータとミコラーシュのロミオとジュリエット的な物語を想像していたけれど、それらしき描写は最後の方にほんの少しあるものの全体的には全く違った。
一人だけ異質のサラサラヘアのマルケータは可愛かったけれど、伯爵の息子で捕虜になったクリスティアンと、ミコラーシュの隻腕の弟アダムが魅力的だった。

ゲーム・オブ・スローンズを想起させるような中世の領主の生活。石造りの家に泥だらけの中庭。残酷な描写はそれほどでもない。何となく日本の時代劇を思わせる戦いの場面とBGM。そして、全般を覆うキリスト教と無神論の対比。
荒涼とした丘に佇む質素な教会が素敵だったけれど、その実は、、、
後半から登場する修道士ベルナルドが一番俗人ぽかった。
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