nisui

6月0日 アイヒマンが処刑された日のnisuiのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

戦犯処刑することになったので死体燃やす焼却炉作る話。
土葬だけど墓作ってネオナチに墓参りになんか来られたらたまったもんじゃないだからなんとしても火葬して灰にせねば!という経緯になるほどねと。試しに羊焼いたら焼きが足りなくて旨そうな匂いになっちゃったの笑った。
時間が無いから夜中にガスボンベ盗みに行ったりとドタバタだったけど、焼却炉完成までに挟まれる二つのエピソードが深刻で、処刑の日まで絶対に生かしておかねばならないという重責に押し潰されそうになる護衛の話なんかはまだ可笑しさも感じたけど、ホロコーストの生存者が戦争体験を語り継ぐことの是非を議論するシーンにはハッとした。日本でも戦争を語り継ぐ人がどんどん少なくなっていることがさも問題かのように取り上げられているけれど「語りたくない」という気持ちにまで考えが及んでいなかった。語り継ぐことを当然のことだと思わないように考えを改めました。
学校でバカにされている少年が工場で活き活きと働く姿をなんだかいいなあと思ってしまったし、大の大人相手に電話越しで作業指示する姿もすごくカッコよかったけど児童労働は絶対に「否」だと思っているから、真意はともかくプロジェクトの終了に伴って少年をクビにして「ちゃんと学校に行って勉強して自分で仕事を見つけろ」という台詞にホッとした。
エピローグは蛇足にも感じたけどあれがなければ「事実を基にした話」だと勘違いしてしまうか。
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