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ナポレオンのTakaCineのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.6
【悩めるナポレオン】
好みの問題ですが、"英雄ナポレオン"と言うより、"悩めるナポレオン"と呼ぶのが相応しい、天才的な策士でありながら情緒不安定なナポレオンは、僕の観たい"ナポレオン"と少し違ってしまって残念でした😖💦

《KINGとQUEEN》
キャッチコピーの「英雄か、悪魔か」に引っ張られて、『グラディエーター』(2000)で若きホアキン・フェニックスが演じたコンモドゥス並みの"偏執狂で暴君なナポレオン"を期待してしまったのですが…

もちろん、その一面もありますが、"(家庭不和に)悩めるナポレオン"という部分に重きを置いていて、ナポレオン(ホアキン)とジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)の関係は、それこそ『グラディエーター』の一枚も二枚も上手なルッシラとコンモドゥスの愛憎関係に似ていて、男勝りなジョゼフィーヌと尻に敷かれるナポレオンという構図でしたね。

あまりにもジョゼフィーヌの影響が強いので、「忘れじのジョゼフィーヌ」という題名でも良かったかもしれません💦

ホアキンとカービーの演技は大変素晴らしかったです👏💮

ただ圧倒的顔面力と巧みな表現で演じきるホアキンのナポレオンは、英雄か悪魔か…とは違って、人間臭く虚栄を張った弱い人間に思えて拍子抜け(本当に演技が上手いのですが)、聡明で掌握力もあるのに女性の人権が乏しい時代故の葛藤や失意を抱えるカービーのジョゼフィーヌの方が、ドラマチックであり哀しみも共感できて見応えがありました。

KINGとQUEENで生きることって大変😥💦

冒頭のマリー・アントワネットのような末路もありえるわけですから😱💦

ナポレオンの末路もなんと寂しいことか…

本作のナポレオンは嫌いではないですが、僕個人としては、ホアキンの振りきれた"狂気のナポレオン"をもっと観たかったです😭

《戦闘シーンは見事》
当然、「本作は劇場案件!」と思っていたので、去年ですが、どうにか劇場鑑賞が間に合って良かったです🤗

ナポレオン映画と言えば、アベル・ガンス監督作(1927年、なんと5時間30分にも及ぶ大作)を思い出しますが、キューブリックも制作を考えた題材で、巨匠リドリー・スコットが監督するなら期待しかありませんよね😉♪

やはり約8000人のエキストラが入り乱れる戦闘シーンの迫力はさすがでした😂💣️💥
リドリーの真骨頂‼️

特に「アウステルリッツの戦い」における氷を張った湖での作戦は、見事な戦術と死に追いやる残酷さが圧巻でした😰💦

でも実は戦闘シーンが楽しめなくて…

ナポレオンが権力を手に入れるために、61回の戦闘をし300万人以上の戦死者を出したことを考えると…今のウクライナ侵攻を思い出してしまい、沈鬱な気持ちになってしまったんです😥

なんだか自らの出世のために戦争を繰り返したナポレオンが疫病神に見えて、嫌いになってしまった自分…

去年観たんですけど、一旦レビュー書くの躊躇したくらいショックでした😥

《備考欄》
年末に玄関のドアノブが壊れて家に入れず。凄く焦ったけど、レスキューに頼んで一時間足らずで、ドア解除から交換までしてもらいました。

次の日に本作を観に行く予定だったけど、迅速に対応してもらったお陰で、気を揉まず映画鑑賞を楽しめて良かったです😌💨
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