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キラー・ブック・クラブのkuuのレビュー・感想・評価

キラー・ブック・クラブ(2023年製作の映画)
2.5
『キラー・ブック・クラブ』
原題 El club de los lectores criminales
製作年 2023年。上映時間 89分。
スペイン発のホラー。
ブッククラブに集まるホラー小説好き大学生8人は、彼らの秘密を暴露しようとする匿名の作家によって1人ずつ襲われる。

普段から仲の良い8人は、ホラー小説好きという共通の趣味を持っていたが、ある恐ろしい秘密も共有していた。 
あるとき、彼らの秘密を知っ ていると思われる、ピエロのマスクをかぶった殺人鬼が出現する。
彼らは殺人鬼によって、一人また一人と殺されていく。

全体的に悪くはなかったけど、いくつかの問題はあった。
ただ、今作品の主要な設定と、何が起きているのかという中心的なアイデアは救いかな。
殺人鬼が彼らを狙うという主要なギミックは、彼らが隠蔽してきた過去の悲劇に基づくものだが、それをクラブの会員であることと結びつけ、本の章として事件を明らかにする共有テキストを通じて、彼らに何が起こっているのかを認識させるという使い方は見事やった。
これは、後に死体が増え、執筆現場が物語に影響力を持つようになるにつれ、サスペンスフルな選択となる。
また、この作品で楽しめるもうひとつの要素は、陰惨で血なまぐさいストーキング・アクション。 最初のイタズラと、その結果、本の章が現実になったかのように演じられる廃校での不信な被害者の追跡劇はどれも非常に楽しいし、図書館のシーン、医学研究室での対決、地元の温室での追跡劇に発展する混雑した集会での傑出したシークエンスなど、後の追跡劇や遭遇劇はどれもコンセプトとして良かった。
ひねりのフィナーレでさえ、対決の面白さに乗っかっており、立派な殺人鬼のマスクと一緒に流血シーンがたくさんあるのも見どころのひとつやと思います。
しかし、今作品の欠点は定型的でそれほど面白みのないストーリーで、このジャンルの焼き直しのような印象を与え続けていること。
このジャンルの知識を駆使してピースを組み合わせ、何が起こっているのかを理解しなければならない、皮肉たっぷりで本の読み方がうまい登場人物たちに焦点を当てたことで本質的に馴染みやすく、不快なものとなっている。
彼らがこの種のキャラであること、そして彼らが完全に我慢できず、憎めない人間であり、ただ殺される必要があることを手厳しく書くんは、今作品に乗り越えるべきハードルやと感じるし惜しいが故かな。
その上、今作品に関わるいくつかのロジスティックスにも問題がある。
何が起こっているのかを解明しようとする捜査当局や権力者の存在がまったくないのは、特に死が公になり、他の人々の前で起こってしまった以上、馬鹿げているし、彼らを巻き込むことができないのも同様にひどい。
また、同様に、現実での出来事から電話で受け取るまでの章を書き出すという時間軸は意味がなく、先に設定したピエロの目撃談を土台にすることはほとんどなく、まったく現実的ではない。 これらの問題が、この作品をかなり下げていた。
ほんと、少し変えるだけでオモロイ作品になったのにって思える勿体ない作品でした。
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