紫のみなと

利休の紫のみなとのレビュー・感想・評価

利休(1989年製作の映画)
3.6
豊臣秀吉って、それにしても知れば知るほど嫌いになる。
この辺りの歴史は常識程度しか知らないので、あまりに美意識が高く説明を省いた演出に、日本史の知識がなければ全然良く分からない、観客が楽しめない映画になるんじゃないかなと懸念しますがむしろそれでいいんだと言っている映画のような気もします。
それでも、茶道の、日本の美を、1秒1秒うっとりしながら眺めるだけでも私は満足でした。この時代のめちゃくちゃさを映画として観れただけでも。

そして本作は日本を代表するような重厚的な俳優がずらり。
山口小夜子さんなど、喋っている姿を初めて観て感動。山口小夜子が茶々ですよ、茶々。
秀吉の母親役の北林谷栄さんは思わず膝を打つ適役、北政所の岸田今日子にも身震いしそうですし、三田佳子はやっぱりいい女優だなーと、女優陣も大満足。

石田三成の坂東三津五郎にも、この人って昔からこんなのばかりなんだなと笑えるし、もちろんディフォルメされた秀吉の山崎努も、なんといっても主役の三國連太郎も、どの配陣も良かったです。