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「利休」に投稿された感想・評価

ikumura

ikumuraの感想・評価

4.0
野上弥生子の原作「秀吉と利休」を読んでいて映画にも興味が湧いたので鑑賞。
実は大柄で小説にもそう出てくる利休を演じる三國連太郎の迫力、秀吉役の山崎努の狂気。
そのほか豪華メンバーは30年前の映画だけに「誰だっけ。。見覚えあるのに」状態(笑)
利休の妻りき。。三田佳子かっ!!
徳川家康。。中村吉右衛門!!そういえばあんな顔!
細川忠興。。中村橋之助!可愛い!(笑)
などなど。
実は中村獅童も出ていた模様。

地球儀のドアップから始まる物語。
信長に接見する宣教師たちとの出会いから、秀吉は果てなき領土欲を、利休はうちなる美の追求を、ということか。

本能寺の変を経て覇者とその茶頭としての関係を結んだ秀吉と利休の蜜月は小田原攻めまで続く。
力を体現する秀吉、美を体現する利休とまずは言えるが、
利休はただ美をフェティッシュに愛でる人ではない。
あくまで人間の未完成な営みとして、確立された価値基準からも自由な美を追求する。
その自由を確保するためにも、権力にも近づく必要があり、
また人間的にもそれだけの才覚があったのでフィクサー的なポジションを得て活躍する。
秀吉もまた、美のことはよくわからないが利休の凄さを認めこの時点では若々しくお茶目な面も見せる。
しかし秀吉を怒らせ所払いになった山上宗二の件が不吉な予感をもたらす。

実は秀吉の弟の秀長という人格者がこの二人のバランサーだったのだが、
この弟の死をきっかけに2人の仲にも亀裂が。
利休にも、自分自身がバランサーであるという傲りがあったのだろうか。
大徳寺への木像設置が問題になっていくのは、後付けとはいえ「ほら言わんこっちゃない」感。
生きたい、死んだら美の追求も何もない、と分かりつつ、
芸術家としての自由をまげるわけにはいかない利休。
秀吉も、もはや権威づけとしての必要以上に利休に認められてもらいたい切なさが溢れ、
哀れを催す凄まじい演技。
というかトランプかっ!てくらい目の周りの化粧が目立つ秀吉の顔だがさらにそれが般若のようになっていく。
この2人の対立に勝者はいない。

小説でも思ったが、この2人のアンビバレントさに対し石田三成(と前田玄以)の悪役感は分かりやすすぎるかも。
秀吉の権力を官僚的に集権化する上で利休を邪魔とみなし、
彼を排除し朝鮮出兵に邁進する。
野上弥生子の反戦観も反映されているのだろう。

しかしなにより実際の国宝も用いた道具の数々で彩られた画面の美しさ、緊張感。
茶碗が窯から出された瞬間から冷めて完成形を見せるまでの美しさ。
政治も芸術もはかない虚の世界だけど、その虚の世界に何かがある、と思わせるような。

ところで最近は「利休は切腹しなかった」説もあるけどどうなんでしょうか、っていうちゃぶ台返し(笑)
https://www.amazon.co.jp/dp/4800306442/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_ueLjEbCA53TQT
北林谷榮の大政所は見る価値ありますぜ!
それと正室と側室役で岸田今日子と山口小夜子が並ぶ不思議な緊張感。
利休の後妻役の三田佳子も色気十分。
白塗りの江波杏子は原作読まないと分かんない系ですかね?
さらに山崎努と井川比佐志の顔芸と三國連太郎の不動感にほっとします。
(お茶も美味しそう)笑
利休のなにかしらのアニバーサリーだったのか、本作と同年公開('89)の『千利休 本覺坊遺文』熊井啓監督作品で、利休役に三船敏郎、本覚坊役に奥田瑛二、そして中村錦之助最後の映画出演(!)というのもありますね。
和様式の美
岸田今日子さんと山口小夜子さんが妖艶で美しかった
大木茂

大木茂の感想・評価

3.0
歴史物を面白くするって相当盛らないといけないのかな?

利休の事これで勉強できるかもと期待したのにあんまり茶道?とか事件も対して起きず
哲学もそんなに感じないし
信長から引き継いで秀吉と仲悪くなって切腹命じられたって事しか分からなかったな…

利休の逸話とか全部放り込んでドラマチックに展開すればまだ楽しめたんだろうけどな…

音楽はちょっとホラーみたいで良かった

予告がめっちゃカッコよくて
ルネッサンス人 美は揺るがない
のキャッチフレーズや紫と緑の文字
ちらっと覗く時の黒のストライプスライドとか凄い面白そうな映画みたい笑

茶は武士のもので庶民にも広まった〜
みたいなのをもっと見たかったな
「利休? あー何かお茶のスゴイ人でしょう?」ってレベルで観たんだけど、面白かった。
利休がお湯沸かすとこから始まるんだけど、三國連太郎の所作も映像も美しくっていきなり感嘆。ティファールじゃこうはいかねえよな。
日アカやブルーリボン獲ったのは三國さんだけだが、秀吉を演じた山崎努のフルスロットルな演技も素晴らしかった。静と動が激しくぶつかり合う茶室の場面など、長尺でも飽きさせない。チャップリン『独裁者』へのオマージュと思しきシーンもあったりで、決してそんなにお高い映画でなく極めて見やすい作品だと思った。単純に面白い。
monaminami

monaminamiの感想・評価

4.8
知れば知るほど遠のくようなわび・さびの世界。
あまりにも有名な朝顔のエピソードからはじまり、千利休の美学と生き様はなかなか真似出来るものではないですね。
三國さんも山崎務もドンピシャな感じで。勅使河原/赤瀬川/武満っていうアート感満載!
otom

otomの感想・評価

4.5
今も昔もわび・さびの美意識を持つ人なんか少ないのは街を見渡せば良く分かる(寧ろどんどん酷くなってるか)。おびただしい下品さの中にあるからこそ、品の良さが映えるって面もあるとは思うけど。そんなそれらを具現化した様な三國利休と山崎秀吉の茶室の小宇宙での問答はまさに息を呑むってのが表現がしっくりくる。表面の静と内面の動がビリビリと伝わってくる流石の勅使河原演出。そしてアンビエントなのから時折グリーンスリーブスっぽくなる武満徹サウンドも安定のクオリティ。山口小夜子の淀殿は美女過ぎて敵なしな感じ。取り敢えず『叶うはよし、叶いたがるは悪しし』を肝に銘じておこう。
如水

如水の感想・評価

3.9
実に見応えがある。
信長は自身が美しいと思った物を好む。他者の評価など関係なくである。が、秀吉の嗜好は、派手でわかりやすく誰もが羨ましいがる物を好む。その為、利休の侘び寂びの不完全な美というのは根本的に理解できない。ある程度のレベルに達してないとピンとこないのだ。例えるならば、E=ma2というアインシュタインの方程式の凄さが一般人には理解出来ないのににている。
そのためか秀吉は、利休の醸し出す気品や余裕のある物言いなど一挙手一投足が自身の劣等感を刺激する。 利休がへり下った態度を見せても、勝者が敗者に見せる余裕の様に感じられ更にイライラは募る。
利休は言葉にも態度にも出さないが、どこか信長と秀吉を常に比べていたフシがあり、成り上がりで頭の聡い秀吉の嗅覚はそれを的確に嗅ぎ取り、深層の中で深く傷つき恐れている。
この秀吉と利休のアンビバレントな関係が実に巧く表現できている。重厚感を出すために無駄なセリフをごっそり削ぎ取り、独特の「間 」とカット割りを駆使して作り込まれていて映画全体が茶道を表現している様であった。
この勅使河原宏監督作品で存在感大きいのは、やはり利休役の三國連太郎。本当に「茶道を究めた男」という感じ。
また、茶室の生花が芸術的であり、自ら華道・草月流家元の免許を持っている勅使河原宏監督が実際に生花をいけたという凄さ!

物語は、戦国時代、織田信長が明智光秀に襲われて豊臣秀吉が権力者となっていく中で、ひたすらに茶道を追究して自分の信念を曲げずに生きた千利休(三國連太郎)。その千利休と最初は良好な関係だった豊臣秀吉(山崎努)だが、史実どおりに物語が展開していく。

しかし、千利休は立像を信奉者に作られてしまったのだが、この立像が良く似ている。これが後に問題になるのは歴史的にも有名なので「あ~ぁ」と思う。
また、千利休が秀吉に「朝鮮や中国攻めは止めて、ご自身と幼い息子さんを大切に…」と言うのに秀吉は激怒するが、これも見ているこちらは歴史を知っているので「あ~ぁ、千利休は先見の明があるなぁ。秀吉も止めときゃいいのに…」と思ってしまう。

千利休の映画は、平成元年に本作と『千利休 本覺坊遺文』(熊井啓監督)が公開されたが、熊井版は千利休切腹後に本覺坊がその真実を…という形式であったため千利休の影は薄かったが、この勅使河原宏監督版では正に千利休(三國連太郎)の生き様を描いており、個人的には本作の方がインパクト強かった気がする。

<映倫No.112872>
yamunashin

yamunashinの感想・評価

2.7
三國の利休、山崎努の秀吉、これはもはや原哲夫先生の花の慶次の実写版w