古き良きアメリカの没落とヤベェ新時代アメリカの到来を、とあるオートバイクラブの隆盛、変質、そして堕落に仮託して、切なく懐かしく描いた佳作。
それが映画、ザ・バイクライダーズ。
なんか軽井沢シンドロームを想い出したよね。
こっちは冷涼な避暑地の軽井沢とちがって、暑苦しく埃っぽい米国中西部の大都シカゴが舞台で、革ジャンに筋肉が盛々(イケメンもあるよ♪)な米国マッチョな不良映画だけどね。
語り部を劇中のヒロイン?に任せた事で男臭と油臭を見事に中和。
哀愁と郷愁が自由と浪漫にベストブレンド。なんとも言えない良い風味を醸してます。
学校や親の目を盗んで単車の免許を取得した……そしてバレて丸坊主にされたwww
そんな経験を共有するかつての男子(あえて男に限定する!)達に、ボクはこの映画、激推しします。
夢見がちな旧世代の青春の挫折の甘さと、洒落にならないハードなリアルを背負った新世代の勃興の昏さ。
この苦味と渋味の良さは
「餓鬼と女子供にはわかるめぇよ!」
とか啖呵を切りたいけど、現実ではネットで吠えるくらいしかできない、弱者男性と言わば言え。
大きく時代が旋回しつつある今という時代に、この映画が製作された意味は問われるべきと、あボクは思ったりしたが、なんか面倒臭くなったので割愛しませぅ。
砂漠を貫くハイウェイと青い空と渡る風。異国異文化の映画なのに、何もかも皆懐かしい。
そんなリリカルでビターな大人の映画ですよ〜