滝和也

エイリアン3の滝和也のレビュー・感想・評価

エイリアン3(1992年製作の映画)
3.4
逃げる坊主!
追う犬エイリアン!

「エイリアン3」

前作に対してリスペクトなき作品に、尊厳はあるのか…。

ここから見てなかった様です…。今作から評判がイマイチなんですよね。やはり前作をデリートしたかの様なスタンスで始まりながら、エイリアンの存在だけは利用しなければならないので、どうしても無理があるんです。

前作のアクション大作化により、その路線を取るならば、リプリーは存在しにくい。助かってまたあの星に行かねばならないから、いい加減無理がある。ならばリプリーを出しながら、1作目に戻すなら…、この展開しかない。続きながらもエイリアンがいる。そうすると女王の執念で…。と言うスタートしかない。

その点では無理がないものの、あの方たちは助かるわけもない。故に賛否両論になる。しかもフェイスハガーは卵を複数に植え付けるの?とか何故リプリーは助かるのとか、中々奴が出てこないのは?とか疑問符がつきますよね。

スタートから疑問符がつく上に、モッサリした展開でリプリー以外のキャラに華がなく(坊主だらけ)展開が間延びしているので、中弛み…。それなりの緊張感はあるものの、キャラの生き死にの選択が微妙なんです。そのため、コイツ誰だっけになる…。また明らかに脚本や演出にキレを欠いています。

1作目に戻して閉鎖空間でのパニックスリラーとして作られたものの、二番煎じの誹りを受けざる得ない。キャラの立たない囚人が襲われても…だし。またより窮地に立たせるための監獄、武器なし設定も地味の誹りを受ける。中途半端な存在になってますよね。

やりたかったことは新しい演出。例えばエイリアン目線の追走なんだろうけど、これまた似たような場所ばかりでかつ追われる側にキャラがないため、わかりづらい。しかも編集がイマイチで更にわかりづらい…。

デビッド・フィンチャー監督のデビュー作品なんだけど、手足を縛られ何もできなかったのかなと。本人もレイブされたみたいだとしてましたし…。ただ過分に宗教的なのは彼の色かなと。ラストもキリストの如くだし。でもこれまたT2の匂いがして…?多分にエイリアンってセクシャリティが強いキャラで、神の潔癖さの対照的存在なのでありだとはおもいますがね。

エイリアンの造形も初期CGなのか、前のほうが良かったり…。4足歩行のアイデアは悪くないけど、前の奴も這い回ってた気がしますので…。

それなりの緊張感やシガニーの身体を張った演技もあり、加点してますが、イマイチです。この先更に嫌な予感がしますが、一応全部見てみよう(笑)
滝和也

滝和也