氷雨水葵元気です

インファナル・アフェア 4Kの氷雨水葵元気ですのレビュー・感想・評価

インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)
5.0
2023年108本目

名シーンが多い

◆あらすじ
警察とマフィアにそれぞれ潜入を命じられた若き日のヤン(トニー・レオン)とラウ(アンディ・ラウ)。

身分を偽ること10年、2人は過酷な運命を生き抜いてきた。

そして、双方にスパイの存在が明らかとなった時、2人はついに対峙する―――。

◆感想
終演間近だったので飛び入り鑑賞!もっと上映館増やしてくれ~。

日本公開20周年おめでとうございます✨

DVDで観ていた印象が強いため、確かに4K仕様でした(笑)一昔前のザラザラ感がなく、かなりクリアになっていた印象です。
さて、本編はというと、言うまでもなくって感じでした(いい意味で)。マフィア映画らしい重厚な雰囲気が良く、アンディ・ラウ&トニー・レオンの演技もすばらしい。監督アンドリュー・ラウの演出もかっこよく、アラン・マックによる緻密な脚本はほかにはないって思いますね。何度も観て先の展開を知っているのにドキドキする。そして何度でも残酷な運命に翻弄されるラウとヤンを見て泣く。後にも先にもこんな香港ノワールはないだろうなぁと思います。

個人的には1作目が一番好きで、序盤のラウとヤンがお店で音楽を聴いているシーンがお気に入り。このシーンは、3作目から繋がっているので3作目も好きなんですが、やっぱり名シーンが多いのは本作。お店のシーンに加え、モールス信号でコミュニケーションとったり、映画館にいたラウをヤンが尾行したり、と印象的なシーンが多々。ラストの屋上でのシーンはパッケージやポスタービジュアルにもなっていて、いろんな意味で熱いシーンなんですよね。

警察とマフィア、それぞれに潜入させたスパイを突き止めるというシンプル(そうでもないけど)なストーリーなのに、ずっと緊迫感があるんですよね。とくに、薬物の取引をしているシーンは「いつバレるの…」とヒヤヒヤ。ヤンのギプスがパリーンしたときはマジで焦りました💦少しのボロでもバレかねないっていうのが、もうハラハラドキドキよ。とくに、サムはそこらへんに目ざとく気づきそうでめっちゃ怖かった…。
にしても、ウォン警視が屋上から落ちてくるシーンは、初見当時は衝撃的でした。エレベーターと階段から迫ってくるマフィアが怖いとかよりも、まさかの退場に開いた口が塞がらない。ヤンの動揺した表情が衝撃さを物語っていますね。
後半戦の見どころは、ラウが自分の意志で警官の道を進んでいくところ。「俺は警官だ」と日々自覚するヤンとは違い、どこかまがい物の警官であることを正当化しようとする姿が垣間見えて面白いです。終盤、サムを殺す選択をしたのはびっくりしました。ヤンについては手を下していないものの、身分証を掲げて「俺は警官だ」と言って出てくるあたり、ラウの強い意志が伝わってきますね。マフィアでありながら、たくさんの消えた命を背負って警官として生きると決めたラウの選択がとにかく熱い。
そして、ラスト数十分くらいでドラマが動くのを見てほしい!!ヤンがラウと接触し、自分の筆跡がある封筒を見つけた瞬間といったらもう…。「僕の秘密を覚えていて さようなら」ってなんだよヤンンンン。ラストに繋がるこの数十分がとくに好き。

同じ警察学校出身で、かたや警官に、かたやマフィアに。でも、潜入することで運命を入れ替えられ対峙するっていうのがもうたまらない。