Hagieen

激突!殺人拳のHagieenのネタバレレビュー・内容・結末

激突!殺人拳(1974年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

小沢茂弘監督、千葉真一主演。

脱獄から殺しまで非合法な仕事を金で請け負う剣琢磨。
石油王の娘を誘拐するよう依頼をされるが背後に香港マフィアが絡んでいることを見抜き、互いに信用できないなら手を組まないと拒否する。
正体を知られた香港マフィアは剣を始末にかかるが、逆にそれが剣の逆鱗に触れ石油王の娘を護る事にする。

カラテと中国拳法をミックスした剣の殺人拳は、千葉真一の顔芸も相まって独特の雰囲気がある。
特に本作の主人公はアウトローな為、目つぶしから金的、相手の足を踏むなど反則技のオンパレード。
冒頭で実弟の千葉治郎と対決し死に追いやり、愛弟子志穂美悦子は売り飛ばす。
いやぁ、あくどいぞ千葉ちゃん!
観ている人に今作の千葉ちゃんが悪党であることを印象付ける展開。
この非情なまでにピカレスクなダーク・ヒーローをこの時代に作っていたのがスゴイ。
香港での「燃えよドラゴン」などのブルース・リー映画の影響はあるが、求道者で道を説くブルースと違い、千葉ちゃんは金や男の沽券で戦うw

冒頭から相手役の石橋雅史が牢獄で息吹を行いながら型をしているシーンからして痺れる。
石橋雅史の険しい表情がまたキャラが起っていてイイ。

剣の相棒のラクダの張とかユーモアある配役もバランスが取れている。

こういったダーク・ヒーローは今だと難しいのだろうか。
変にサイコな方向に走りそうだが、単純に欲望むき出しのキャラのぶつかり合いって最近は少ない気がする。
真剣佑や郷敦で剣の子供として続編やらんかね。
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