真っ黒こげ太郎

シャクラの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

シャクラ(2023年製作の映画)
4.3
ドニー兄貴が挑んだ、アクション映画の更なる高み!!!

俺が貴様を地獄へ送る!!!

武林最強の技「降龍十八掌」で全てを倒す!!!


…冗談抜きで全て倒しまくるから困る。w
まぁ、ドニーさんだからいいよね!!!




宋の時代の中国。
武術家組織の丐幇(かいほう)のリーダー、喬峯(きょうほう)は武勇に優れ、皆から慕われていた。
しかし、副団長の馬が何者かに殺され、馬の妻の証言によって喬峯が犯人に仕立てあげられてしまう!
しかも、殺された動機が喬峯が敵側の契丹(きたい)人だから口封じだからだというのだ。

濡れ衣を着せられ丐幇から追放させられた喬峯は、真犯人と自身の出生を知るため旅に出る。
だが、育ての親である養父母や少林寺の武術の師匠までもが殺されてしまい、またしても喬峯が犯人扱いされてしまう!!!

喬峯の濡れ衣を着せた犯人の正体は!?
そして喬峯は真犯人へ復讐を果たすことが出来るのか!?




殺人犯に仕立てあげられた英雄が真実を探る為に壮絶な旅に出る、武侠・カンフー・アクション映画。
中国で人気の武侠小説「天龍八部」を、「宇宙最強」の異名で知られるアクションスター、ドニー・イェンさんが制作、監督、主演で映画化!!!


60代を迎えつつも、未だに「イップマン」シリーズや「ジョン・ウィック:コンセクエンス」等、凄まじいアクションで魅せてくれるドニー・イェンさんの最新作は任侠映画!!!
しかも、ドニーさん自身が原作の武侠小説の大ファンで、自身で主演、監督、制作として全身全霊で挑むという熱い気合を感じる一作だ。
(アクション監督は何度もドニーさんとタッグを組んでいる谷垣健治さん。アクションのクオリティが約束された黄金タッグだ。)

正直、公開規模が小さいし近所の公開は無いかな~と思っていたが、何と一か月遅れで近所で公開された!!!
例によって例の如く、元となる武侠小説に関しては全く知らないが、それでもドニーさんの超絶アクションが見れればいいや!!!
って事で映画館に行ってきた。w


物語としては「殺人の濡れ衣を着せられたので、ヒロインと出会ったり、かつての同門と戦ったりしながら真犯人を探すぜ!!」という物。
まぁ「誓って殺しはやってません!」って事でかつての組織に追われながら真の黒幕と戦うという、真犯人探し系の物語として分かりやすい内容なので、歴史に疎い俺でも入っていきやすい内容なのは好感触。

犯人の正体も見ていく内に薄々察しは付く…ってか犯人が序盤からデカデカと出て怪しい黒幕ムーブしてて駄目だった。w
あからさますぎるだろう!!!w


まぁ、犯人捜しのサスペンスなんぞより皆ドニーさんのアクションの方が気になってるだろうからそっちの話に移るが(爆)、今回は武侠映画という事で、ワイヤーアクションを駆使したダイナミックな動きがメイン。
また、登場人物が”気功”等のスーパーパワーを使うので、それらを駆使したド派手な戦闘が展開される。
実際、アクション監督の谷垣健治さんも「中国版アメコミヒーローみたいなのを目指した」と(ようつべの動画で)明言していたので、そこら辺のテイストを感じられるだろう。

だけど、こういったワイヤーやCG絡みのアクションは、下手するとCGビームを撃ちあっているだけみたいな単調なアクションになってしまいがちで、アクション映画で肝心の迫力という物に欠けてしまいがちです。
実際目標に掲げたアメコミヒーロー作品も、ドラマ映画やコメディ映画しか監督してない、アクション映画に対してぺいぺいな輩が手掛けてしまった所為で、迫力も重量感もないぬるま湯アクションになってしまっている事が多々ありましたからね。
(具体的なタイトルは敢えて伏せます、まぁ過去のレビューを見ればすぐに分かるだろうけど。w)

しかし、そこは流石のドニーさん印。
本作はドニーさんの説得力のあるキレキレな動きと、アクション演出の上手さも相まって、大迫力かつ凄まじいアクションが炸裂!!!

冒頭からドニーさんのワイヤー&カンフーアクションが展開されるのだが、これがもうキレッキレ&豪快&大迫力で、最初からクライマックス級の壮絶アクションとなっている!!!
その後も、中盤のかつての同門500人VSドニーさん1人の大乱闘から、クライマックスの黒幕とのラストバトルまで、展開されるアクションはどれもこれも最初から最後までクライマックス級!!!!

ドニーさんの力強く、スピーディーな動きは、リアリティもしっかり感じさせる見事な動き。
カッコいいポーズを決め、時に必殺技名を叫びながら、気功をぶっ放す場面もドニーさんのアクションの動きの説得力のお陰でマジで凄まじい気功が放たれている様な凄まじさ。
相手側も負けじと凄まじい動きで応戦するし、気功でぶっ飛ぶシーンも豪快にぶっ飛び、壁や建物を豪快に破壊する!!!
(壊れる壁や木っ端微塵に吹っ飛ぶ家屋等はキチンとセットをぶっ壊しまくって描いてるのも好感触。)
カンフー映画お約束の身の回りの物を武器にして戦う場面も、アメコミチックな外連味とリアルなアクションが組み合わさって豪快!!!気分も爽快!!!!


…という訳で、ドニーさんの壮絶アクションに、谷垣健治さんの見事なアクション演出によって、大迫力の武侠アクションを楽しめる本作。
ワイヤーやCGを使ったアクションでも、それだけに頼らない説得力のある動きと演出は、ケレン味の中にリアリティも感じられ、パワフルで楽しい出来。
某アメコミヒーローシリーズも見習うべきな(爆)、素晴らしいカンフーアクションでした。
(あっちじゃ何故かホラーやコメディやドラマ映画の監督ばかり起用してるけど、やっぱりアクション映画はアクション演出の出来る人に任せて欲しいですね。餅は餅屋と言うし。)


そんな感じで基本的には楽しい映画だが、やはり何と言うか、武侠モノの入り組んだ世界観や用語がネック。
これは今作に限らず武侠映画とかでよくある事なのだが、武侠モノは全く読めない漢字の人名や地名が多すぎて、誰が誰で、何がどうなってるのかが理解しにくい!!!!
恐らく武侠作品にしっかり触れてる人なら本作の用語もアッサリ飲み込めるんだろうけど、単純明快な映画を求めてる偏差値の低い小学生マインドな俺には複雑すぎる用語が多すぎて頭が混乱した。
物語自体は王道な復讐劇やロマンス等で見ていく内に分かるようになってるし、真犯人も物語の中でしっかり描写してるんだけど、正直、日本語字幕じゃ専門用語が一ミクロンも入ってこねぇ!!!!w

これは台詞回しが合わなかったり、作中の用語が難しい作品を見た時いつも言ってるんですが(汗)、レンタルが始まったら日本語吹き替えで見たいですね。
まぁ、今作の場合吹き替えで見ても全部伝わるか怪しい物ですが。w
(そもそも、日本語吹き替えが作られない可能性もある訳で、そうなったらどないしましょ。w
配給会社さんには頑張って欲しいですね、吹き替え声優や翻訳家がメッチャ苦労しそうだけど。w)


そんなこんなで、ドラマ方面は結構手ごわかったですが、それでもドニー・イェンさんの凄まじい身体能力と谷垣健治さんの見事なアクション演出が組み合わさった、豪快でキレッキレで凄まじい武侠カンフーアクションをたっぷり味わえる楽しい逸品でした。

元の小説ファンがどう思うかは分からんが、豪快でパワフルなカンフーアクションを楽しみたい人は、是非どうぞ!!!
細かい事は気にしないで、ドニーさんの超絶アクションに酔いしろ!!!!!wwww

因みに、元が大長編小説故か、ラストは続編に続くみたいな終わり方でした。
果たして続編は出るのでしょうか、ってか続編が出る前に、俺は本作の複雑な用語や世界観を理解できるのだろうか。w
…まぁ理解できなくてもドニーさんのアクション観れればいいや!w(バカ丸出しの文章)