未成年相手がそもそも論外ということを別にしても、立場的なパワーバランスにギャップのあるふたりの肉体関係があった際、どこまで“同意”があったといえるのかというのは日本でも議論されているところ。
今作では尊敬・憧れの感情を利用して、さらに立場的な力を振りかざし、作家が少女を“脅迫”しているとさえ取れる会話の上で、性的な関係を継続させる。“同意”とは何を差すのか。“強引な文言で説得された”ことを同意としてしまえば、権力のある者はやりたい放題できてしまう。
今作を観た人の中には、これをきっかけに初めて「もしかしたら自分も被害者なのではないか」という気づきにたどり着く人もいるかもしれない。人の人生に影響を与えるくらいに、今作には価値がある。
一見そこまでクレイジーに見えない狂人が一番加害者として蔓延りやすいであろうからこそ、今作のガブリエル役の“誇張しないじめじめした嫌な演技”もリアルに受け取れる。
このような勇気の告白を世に向けて行った作者、この映画を作ってさらに世に広めた製作陣に強く敬意を示したい。
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観た回数:1回
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【星つけた際の"個人的"評価・好み】
※作品のウリじゃなさそうな部分は「-」
総合点80pt/100pt 星換算★★★★4.0
95=スタンディングオベーション/90=大拍手/80=最高!/70=すごい!/60=良い/50=不足なし/40=あと一歩欲しい/30=うーん/20=さすがにちょっと/10=Z級
《配点》
★好み(主観によるただの好み・印象の強さ)
79pt/100pt
★監督(コンセプト・元ネタ選定・主題・固有演出)
86pt/100pt
★脚本(設定・起承転結・言葉・脚本でのテンポ)
80pt/100pt
★撮影(構図・カメラワーク・撮影での映像美)
78pt/100pt
★演技(演技力・役作り・演技のインパクト)
85pt/100pt
★編集(カット・編集でのテンポ・音ハメ)
77pt/100pt
★音響(録音・音響)
79pt/100pt
★音楽(サントラ・歌曲)
70pt/100pt
★美術(キャラデザ・衣装&メイク・セット)
79pt/100pt
★配役(キャスティング)
87pt/100pt
★VFX(VFXのクオリティ・VFXでの映像美)
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