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コンテイジョンのtjZeroのレビュー・感想・評価

コンテイジョン(2011年製作の映画)
3.9
香港発の感染症が世界中に広がっていく恐怖を描いたバイオ・サスペンス。

スティーヴン・ソダーバーグ監督には、『トラフィック』という麻薬を巡る人間模様を描いた秀作があった。
本作はそのドラッグをディジーズ(病気)に替えた同様のアプローチ。
『オーシャンズ~』シリーズでも分かる通り、群像劇を撮るのは得意だし、『エリン・ブロコビッチ』でも見せた迫真的なドキュメンタリー・タッチも健在。
『トラフィック』と同じく、マット・デイモン、グウィネス・パルトロウ、ローレンス・フィッシュバーン、ケイト・ウィンスレット、マリオン・コティヤールにジュード・ロウ…と豪華なキャスト。

劇中の医療従事者や研究者たちの、冷静な対応が印象に残る。それは演出のクールなタッチにも通じる。ヘタクソな映画だと、ヒステリックにあおり過ぎて観ている方がシラケっちゃったりするのだが、本作にはそんな幼稚な盛り上げはない。大人の鑑賞に堪えるサスペンス。

中盤以降は近未来SFのような硬質な輝きがあったし、エンディングの切れ味は近年観た映画の中でも最上級だった。
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