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トランスフォーマーのtjZeroのレビュー・感想・評価

トランスフォーマー(2007年製作の映画)
3.3
「みんな観てるらしいけど、オレは観てない…💦」
っていうシリーズものって、誰でもありがちだと思います。

自分にとっては、『ハリーポッター』とかこの『TF』がそうでした。
話題についていけないので”途中参戦”しようかな、と思った時もありましたが、どちらもシリーズが結構な本数を重ねているため、面倒くささが先に立ち、スルーしていました。

ただこの『TF』は、BSの無料放送を録画していたので、ようやく(かなり遅いけど)観てみました。

まず思ったのは、”つかみ”が『スター・ウォーズ』(新たなる希望)っぽいなあ、ということでした。
すなわち、

SW…オープニングで、共和国軍と帝国軍の興亡の歴史が字幕で語られる。
TF…オープニングで、オートボットとディセプティコンの興亡史がナレーションで語られる。

SW…少年ルークが、辺境の惑星のジャンク・ショップで、中古のロボット2体(R2-D2とC3-PO)を手に入れる。
TF…少年サムが、近所の中古車屋で、オートボットの一員であるバンブルビーを入手する。

SW…R2に隠されていたデススターの設計図をめぐって、ルークは共和国軍と帝国軍との攻防に巻き込まれていく。
TF…先祖の形見である👓のレンズに刻まれた座標をきっかけに、サムはオートボットとディセプティコンとの抗争に巻き込まれていく。

これは別に、TFがSWをパクっているからけしからん😠という話ではなくて、面白いエンタメのお手本のようなSWの”公式”めいた話法を、TFが上手にアレンジして活かしている、といった方が適切でしょう。微笑ましさすら感じます。
このように”つかみ”というか、離陸のさせ方が上手だったからこそ、老若男女に愛される、長寿シリーズに育っていったのでしょう。

ただ、この第1作、序盤は快調だったのですが、中盤以降はグッタリとくたびれてしまいました。
マイケル・ベイ監督作にありがちなのですが、緩急の”急”ばっかりなので、観ている方が疲れてしまう。

まるで、”緩”の部分で、観客に面白いかつまらないかジャッジされるのを恐れているかのよう。
ベイの作品って、「なんだかわからないけどスゴかった」という感想を持たれがちですけど、それはたぶん、”緩”の部分が無いので”なんだかわからず”(判断停止で)とりあえずスゴかった、という印象しか残らないからなのではないでしょうか。

”急”ばっかりのベイ作の”ランナーズハイ”状態は、『ザ・ロック』('96年)の頃はまだ控えめだったと思いますが、近作の『6アンダーグラウンド』('19)などではかなり症状が進行し、観客を選ぶような出来になってしまっていると思います。
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