ポン・ジュノ監督のことを、
”ジュノポン”って呼んでるのは、オレだけかなあ❔
流行らせたいわけじゃないけど、他のレヴューでは見当たらないもんで…💦。
なんかもはや、”ポン・ジュノ”って響きには”巨匠”の香りが漂ってる気がして…それよりはむしろ、”ジュノポン”っていうポップな愛称で呼び続けたい。
いくらエラくなっても、アート作品のフリしてちゃんとエンタメ要素も残していてくれると思うから…だからこその、ぼくらの”ジュノポン”👌。
この、ジュノポンの出世作といってもいい本作でも、”シリアス”と”お笑い”の境界線というか、せめぎ合いが面白いです。
描かれる、連続婦女強姦殺人事件は凄惨なんですけど、それを捜査する刑事たちがふざけてるんだかマジメなんだか、わからなくなってくるんですよね~。
いやもちろん、真剣に捜査してるんでしょうけど、署内に”拷問禁止”っていう標語が掲示してあるのに、地下でガンガン拷問しちゃったりとか、捜査に行き詰まって霊媒師の怪しげなまじないを試しちゃったりとか、笑っていいのか、真面目に観たらいいのか、観てる方がザワザワしてくる。
ただその、笑いと不穏とのグラデーションこそが、ポン・ジュノならぬジュノポン作の醍醐味でもあると思います。
『母なる証明』でも『パラサイト』でもそうですけど、序盤はオフビートな笑いでニヤニヤ観てるんですが、後半になるにつれてどんとんシャレにならなくなってきて、クライマックスではすっかり(息を殺して)引き込まれてしまいます。
そういう意味で、彼の作品を名づけるとすれば、”ダーク・コメディ”という形容がふさわしいのかも。
”ブラック・コメディ”というと、どこか乾いた、英国風の諧謔や風刺を思わせますが、ジュノポンの場合、もっとアジア的に湿った、おどろおどろしい陰にこもった笑いの感覚があります。だからこその、”ダーク・コメディ”。
ポップな貌(かお)の”ジュノポン”が、シリアスな”ポン・ジュノ”に切り替わる時…その瞬間こそが、彼の作品の最大の”萌え”ポイントなのではないでしょうか。