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砂漠の鬼将軍のtjZeroのレビュー・感想・評価

砂漠の鬼将軍(1951年製作の映画)
3.8
アフリカ戦線などで卓越な指揮を執り、”砂漠の狐”との呼び名で敵国からも尊敬を集めたロンメル元帥の謎の死の真相を描く…。

名将ロンメルに、名優ジェームズ・メイソンを当てたキャスティングが秀逸。

『スタア誕生』、『北北西に進路を取れ!』、『評決』などの演技派だから、総統ヒトラーに反逆せざるを得ない苦悩とか、葛藤のようなものが観ているこちらにも手にとるように伝わる。
マッチョなアクション俳優には出せない、渋みと演技の奥行き。
ロンメル将軍がシェイクスピア悲劇の主人公になったかのような、たしかなパフォーマンスでありました。

そして、本作が製作されたのが1951年。
終戦から5~6年しか経っていない訳で、そこら辺の何気ない風景を撮っただけでも、戦争時の禍々しい記憶というか、空気感みたいなものがモワッと立ち上がってくる。セミ・ドキュメンタリーを観ているみたい。

劇中に実際の戦闘を記録した記録映像が挟まれるんだけど、本編と並べてつなげてもまったく違和感が無い。
フィクションとノンフィクションが”地続き”で、流れる空気も共有している。

あと、CGなんて無い時代の作品だから、迫力ある場面を見せられると、
「あ~、ホントに再現しちゃってるんだな」
と、素直に畏怖の念を覚えることが出来る。

これが最近の作品だと(たとえ実写で撮っていたとしても)、
「どうせCGで”盛って”るんでしょ」
と、どこか冷めた眼で見てしまうデメリットがある。

なので、このご時世では”問題🙅発言”になっちゃうかもしれないけど、
「女房はともかく(?!)、戦争映画は古ければ古いほどいい」
と、高らかに宣言📢したいと思います🙇。
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