近未来のテーマパーク。
古代、中世、西部…と3つのエリアに分かれており、ゲストはその時代にタイムスリップしたかのような、リアルな体験が可能。
この映画の主舞台はその3番目の、ウエストワールド。
キャストはすべて、人間と見分けがつかないロボット。
撃たれれば、血を流す…。
脚本・監督のマイケル・クライトンは、『ジュラシック・パーク』の原作者でもある小説家。
『ジュラシック~』のクローン恐竜のように、本作ではロボットのガンマン(ユル・ブリンナー)が暴走を始める…。
パークを制御する技術者のセリフが興味深かった…
「故障の広がる過程は、感染症によく似ている」。
コロナ、地震、銀行ATMのトラブル、LINEの情報漏洩…自然でも人工でも、複雑に拡大したシステムには災害やリスクが付きものなのかもしれない。
医学を専攻していたクライトンには、宇宙からの病原菌が地球に蔓延する『アンドロメダ病原体』という著作もある(自身で映画化『アンドロメダ…』)。
巨大システムを作る方も、使う方も、あらかじめリスクを織り込んで備えておかないと、とんでもないクラスターが起こる…という警告を一貫してその作品の数々で発している。
数十年前からこのような警鐘を鳴らしていた彼の、未来予測の確かさには敬服させられる。
『ジュラシック・パーク』はスティーヴン・スピルバーグが監督しているので文句のつけようのない出来なんだけど、クライトン自身がメガホンをとったヴァージョンも観てみたかった気がする。
彼は2008年に亡くなってしまったので、もう叶わぬ夢ではあるのだけれど…。