マルクス兄弟第12作で、カサブランカのホテルを舞台にした喜劇です。
カサブランカが舞台というとあの名作を思い出しますが、ある種のパロディとも言えます。
半年で三人のマネージャーが殺されるというとんでもないホテルの設定の中で、マルクス兄弟が歌と踊りと笑いで解決していきます。
ギャグは時代が経つと伝わりにくくなるものですが、音とリアクション芸の面白さは今みても古くないです。
特に口笛とジェスチャーで名前を伝えるシーンは大笑いしてしまいましたね。

カサブランカのホテル支配人を標的にした連続殺人事件の発生を受けて、新支配人とその仲間がホテルに潜伏するナチス党員に肉薄していく。戦前戦後のハリウッド喜劇を牽引したグループ、マルクス兄弟の第12作目。

新支配人のグルーチョがチコ＆ハーポの協力のもと、客人の貴族に変装しているナチス党員と掛け合いを繰り広げていく。敵対側のナチスはカサブランカに移送した財宝を取り戻すべく、ホテルの掌握を企んでいることが、冒頭で明示される。

ナチスの暗殺行為、窃盗行為がマルクス兄弟によって妨害される展開がメイン。あらゆる暗殺がグルーチョには通用しないという喜劇が笑えるのだが、セリフだけで流してしまうところが残念。全体的に狭い室内での鬼ごっこ、隠れんぼが長尺で収められている。

終局では、離陸直前の旅客機を舞台にしたドタバタが展開。この場面においても、狭い空間でゴチャゴチャとやっているだけであり、豪快なアクロバットは登場しない。マルクス兄弟の「芸」を、じっくりと噛みしめる方向に落ち着いている印象が強い。

戦中引退しててのカムバック作。メイヨさん、遺作がこれでよかったのか。
みんな老けているが、おじいちゃんハーポ頑張っている。面白くもないがつまらないわけでもない凡作。
個人的にこの作品で1番何が足りてないかって言ったらグラウチョの歌だ！