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旅芸人の記録のdeenityのレビュー・感想・評価

旅芸人の記録(1975年製作の映画)
2.0
お借りしていたDVDをようやく鑑賞してのだが、やはりこの上映時間には躊躇する。そして年内には返さないといけないという申し訳なさでやっとこさ重い腰を上げたのだが、これがまた重いのなんの。

内容としての重さではなく、見せ方としての重さ。映像表現として意識しているのはやはり全体の色調であって、灰色の画面による感覚的重さは意図的にそうさせているにしてもヘビーだ。
その上しつこいほどの長回しにはやはり力は入るのだがそこまで集中ももたず、せっかくの魅力を味わえていないのは自分の問題なのだが、もう少し内容を味わえていたら変わったのかもしれない。

内容はあくまで旅芸人の記録であって、それがおそらくギリシャの歴史と共に映されていく。だからギリシャ史を知らない自分にとってはただ淡々とした静かなストーリーであって、また各キャラクターに注目するような作りでもないため、感情移入も難しく、ただ見て流す感じになってしまっていた。

見終わって何となく物悲しさを感じるのは監督の意図なのだろうけど、その物悲しさの確信みたいなものは掴めていないのが残念ではある。
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