あでぃくしょんBBA

新幹線大爆破のあでぃくしょんBBAのレビュー・感想・評価

新幹線大爆破(2025年製作の映画)
4.0
2025.05.03

さすが、製作Netflix&JR東日本全面協力の本作。
はやぶさ60号運転士ののんが可愛らしすぎるのと、車掌草なぎのセリフ発話の大部分が平板すぎて棒読みっぽかったのとで、観始めは「あんまり期待せんとこ」と気持ち的に距離を置いてたのだが……。
なんのなんの、シャープで美しい画面と新幹線のスピード感、統括本部の新幹線総合指令所の動きと保線区の人たちの働きにすっかり目を奪われてしまった。
圧巻なシーンはいくつもある。ポイント転位であわや事故とか、高速実験車両を併走させて工具や機材を搬入するシーンとか。でもそれらはまだ前段階にすぎない。
爆発するかしないか手動でも自動でも秒単位の攻防。そしてついに――が、本気で作って本気で撮ったのがわかるクライマックスだった。

・アイディアと骨子は1975年版を踏襲。当時の脚本(小野竜之助と佐藤純弥)がどんなに素晴らしかったかあらためて思い知らされた。
・1975年版は犯人の人物描写と、国鉄マンvs官僚のせめぎあいに重きが置かれていた。しかし今作の主人公は新幹線とその運行にかかわる人たち。個人的には、保線区の人たちがどういう作業をどのようにしているのか、一部でも見られたのが良かった。
・1975年版では出向官僚と警察官僚がクズだったが、本作では政府がクズだった。総理大臣補佐官の佐々木に「どついたろか、こいつ」と思ったが、現場(指令所と60号乗務員と運転士、および保線区)の真摯さに改心したようだから許したる。

・ダイヤグラム手書き作成のシーン見て胃がでんぐり返りそうになった。どこの鉄道会社でもやってることらしいが、鉄道のプロはホンマにすごい。ええかげんな私にはできん。
・作中に頻繁に出てくる「やわやわ」という合図。ニュアンスはなんとなく伝わるが、正確なところがわからないので調べたら、「速度を節制せよ」という意味の鉄道用語だった。ひとつ賢くなった。

・「吐かない・漏らさない・地べたを転がらない」黒田大輔さんを初めて観た。
・川越刑事役の岩谷健司って人、人相はクセ強で怖いけどちょっとした連続的な表情がとても繊細。出演作を調べたら何度か観てるはずなのに認識したことがなかった。これからは少し気にしてみる。
・令和のカリスマ?等々力満がただのアホにしか見えなかった。最後は微妙に報われたから良かったけど、配役とはいえ要潤お気の毒。
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    老人性難聴がひどくなってきたので、配信では専ら「外国映画&字幕」です。 傾向として、コメディの点数は甘く、シリアス系の点数は厳しめです。 好みには抗えんので、男優・女優とも顔で判断しがちです。