ヨーク

呪葬のヨークのレビュー・感想・評価

呪葬(2022年製作の映画)
3.4
昨今ホラー映画好きの間では台湾ホラーが熱い! と言われていて、ネトフリだったかアマプラだったか忘れたが中々の話題になった『呪詛』も台湾産のホラーであった。その二匹目のどじょうを狙ったのかどうかは知らないが似たようなタイトルである本作『呪葬』も、まぁまぁ面白いホラー映画ではありましたよ。少なくとも昨今の清水崇作品なんかよりはしっかり怖いシーンがあったのでそれだけで好感度は高い。しかしそうは言っても別にそこまですげー! っていう映画でもなくてまぁぼちぼちくらいの、暇潰し(特にホラー映画としての)としてはちょうどいいなくらいの映画でありましたよ。ま、構えずに観ればそこそこは楽しめるんじゃない? っていうくらいの感じ。
なのでぶっちゃけそんなに書くこともないのだが、個人的に(本当に個人的に)特筆する部分としては映画が始まって1分くらいで寝るという歴代でも上位の早寝を敢行してしまった、ということだろうか。なんかコンビニで主人公らしき(後で主人公だと分かったが、あくまでも初見時ではらしき)おばさんがドリンクコーナーで補充してるシーンから始まって、あぁ主人公がコンビニバイトなら裕福ではない感じの人なんだろうなぁ…と思ったところで記憶が途切れ次に目を覚ました時にはなんか10歳くらいの娘と一緒に祖父のお葬式に出るため帰省しているところまでぶっ飛んでいた。まぁ時間にしたら15分も経ってないと思うんだけど、冒頭をごっそり観逃がしてるからね、これは久々にやっちまったなと思いましたよ。
たが、結論から言うとなんとかお話にはついていけたしその上でそこそこ面白い映画だった。観た後にググって確認したあらすじによると、なんか祖父が死んで実家に帰るシングルマザーがそこで怖い体験をするという映画らしい。あとその主人公のシングルマザーは過去のある出来事のせいで父親との仲が最悪なので実家にいるだけで舌打ちされて露骨に「早く出て行けよ、てか帰ってくんなよ」なオーラを家族中から出されているのでお化けが云々とか抜きにしてもギクシャクしまくりで一触即発な家族関係が怖かったりもする。
まぁそういう感じの陰鬱なホラーですね。近年の台湾ホラーの得意分野って感じでもあろう。ただ、本作はお化けの描写とかは結構怖くてシーツだかカバーだかを放り投げたシーンはなんともいや~な感じになって最高だったのだが、どうも肝心のお話が動かないというか、主人公が実家に帰ってから特に何も起こらずにだらだらと間延びした感じになるのはいただけなかった。まぁその辺の地味な嫌がらせパートもオチに結び付く感じにはなっているのだがどうも中盤は退屈してしまいましたね。寝るならこの辺で寝るべきだったと反省しています(そもそも寝るなと言われるだろうが…)。
しかし昨今の台湾ホラーの流れを見れば、もっと救いのない話なのかと思ってたのだが意外とイイ話だったな。これは結構予想外な展開で、オチも納得いく感じで着地したのでまぁいいのではないだろうか。顔認証の演出も相まってじいちゃん強ぇ!! は半分ギャグだろこれって感じだったがまぁ面白かったのでヨシ。それはそれとして怖いシーンはしっかり怖かったので満足度はそこそこあります。
でも冒頭シーンをすっ飛ばしたから多分俺が知らない重要な設定とかもあるんだろうな。そこをちゃんと観てればラストはもうちょい味わいが変わったのかもしれないが、でももう一回観ようと思うほどではないかな…。ちなみに最初に書いたように映画が始まって1分以内に寝るというのは俺の中でも上位の早寝ですが、予告編が始まる前から寝ていたこともあるのでワーストの更新というほどではありません。いや自慢ではないが…。
まぁオススメするほどの出来ではないと思うけど配信とかレンタルに来たらお家でまったりしながら見るのにちょうどいいんじゃないですかね。
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