レオピン

フロム・ダスク・ティル・ドーンのレオピンのレビュー・感想・評価

4.0
四半世紀たってフロムダスクはBABYMETALになってしまったかぁ。感慨深いよゆよゆっぺ

冒頭の酒屋のシーン(あの店員ジョン・ホークスだったんだなぁ)、
テキサスレンジャー、マイケル・パークスが無駄なおしゃべりとともに貫禄をたっぶり見せてくれるが案の定あっさり殺される。え?主要キャラちゃうん。ここだけでもうつかみはOK サイコー! (最近ジェラードンのコント動画見過ぎていて余計にツボ。「貫禄ありすぎてシリーズ」の角刈りw)

これタラの盟友ロバート・ロドリゲスが監督だったが、実質タラの映画といってよい。彼が出てきたとき批評家はみなアメリカ映画に活劇の匂いを復活させたと喝采したが、こっちはアメコミのそれもどうしようもないやつの面白さに溢れている。

一体オレは何を見せられたんだろうかという転調が1時間きっちりでおとずれる。いきなしの吸血鬼映画。スプラッター惨殺爆笑ヒットパレードな展開。

われらはみんな飽きっぽいんよな。多くの人間はしまいまで同じ本を読んだり一つの番組を見たりしない。飽きれば次 はい次 と途中で変える。これぞサンプリング時代の申し子、タランティーノの本領発揮。クライム映画だと思ったのかい。そんなものうちには置いてないね。うまいかどうかなんてさぁ知ったことかい。ってな声が聞こえてくる。
こんなこと普通は言えないもんだ。余程自信があるか、アゴがしゃくれてない限りは・・・・・・

とにかく今どきのコスパ厨 タイパ?厨にもうってつけの作品よ。

いくつかチェックポイント
女性TVレポーターのあのディストピア感。ニュース画面のテロップで、さぁ何人死亡しましたわって嬉しそうに。『デス・レース2000年』じみた人非人の世界。ここでは銀行強盗は娯楽。特にリアリティー番組じみたニュースショーでは犠牲者が多ければ多いほど盛り上がる。
これも笑顔がしかめ面に変わってるだけで、既に日本のワイドショーなんかもやってること同じだな。

弟リチャードの性格。車でおとなしくしているよう歯ぎしり用のマウスピースをつけるように言われる。彼のサイコぶりはモーテルの部屋だけで十分だった。あれ以上やると後半につなげられない。だけどあれがあるからこそ、転調した後半の面白さが活きてくる。

チーチ・マリンの一人三役。田舎に行くとどの人物も服装が違うだけで同じに見えることがある。怪談に出てくるジジイがみんな常田富士男にみえるような、不思議な効果を担っていた。

そして大好きなセックスマシーン(トム・サヴィーニ)。名前を聞かれたときの爽やかさ 笑
股間の銃のギミックも最高だが、ビリヤード台でダニー・トレホを倒して目ん玉がきちんとポケットに吸い込まれていくとか芸が細かいのがいい。
残念ながら腕を噛まれてしまい、横でフレッド・ウィリアムソンがまだ武勇伝自慢している最中にバンパイア化してしまった。弟のスコットがチラっチラっとこっちを見るところで爆笑。こういう、あのまだ話の途中なんですけど、っていうの『Mr.ノーバディ』でもやってたな。

とどこをとっても後半は愉快なシーンだらけ。BGV代わりに酒場で見るのが丁度いいかもね。

だが、一夜が明けたラストのショットにはクルーニーとジュリエット・ルイスのすごみを感じさせる。どんなにバカな展開でも決して見逃せない瞬間。わずかでもそんなカットがあればそれは名画だと言っちゃいます。

てなわけでメキシコの国境沿いのバーに立ち寄る時には十字架だけは忘れんように。

⇒The Blasters 「Dark Night」

⇒最凶兄弟が出てくる映画ベスト級 ゲッコー兄弟
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