踊る猫

CURE キュアの踊る猫のレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.7
hulu にて。何度目の鑑賞になるのか分からないのだけれど、やはりこの映画は傑作なのではないかと考えた。『リング』などの和製ホラーに通じる伝播して行く恐怖。それを分かりやすいおどろおどろしさで描くのではなく、あくまで淡々とロング・ショットを使いながら描き切る。萩原聖人氏の演技が素晴らしい。記憶喪失に陥った催眠術師という(悪意がなく、出会う人間を憎悪から癒やす存在であるという)不気味な佇まいを巧く表現していたと思う。「俺が俺が」というノリではなく、淡白なのだけれど後に濃厚な存在感を残すという、矛盾する表現になるけれどそんな佇まいに惹かれる。もちろん役所広司氏の演技もまた素晴らしい。今から 18 年前に撮られたとはとても思えないほど生々しい恐怖を描いている。必見だろう。
踊る猫

踊る猫