21歳ベルナルド・ベルトリッチのデビュー作。当時の貧困とローマの薄汚れた街が鮮烈に、夜のパオリーノ公園で交差する目撃者の視点にドキドキする。イタリア版『羅生門』と呼ばれているそうで、一つの場面を別の角度から描く作品はやっぱりどれも魅力。
盗人少年、借金取りたて男女、そして何もしない兵隊。この兵隊のサイコ感溢れる感じが本当に恐ろしく、軍服でフラフラ街を徘徊して、女を片っ端からナンパして失敗して、目はギラギラ、口はニヤニヤ。戦後のPTSD描写のようにも思えるのだけど、詳しい描写はなかった。
目撃者たちそれぞれのエピソードは短編オムニバスのようで、当時としてはかなり尖った構成だったんじゃないかな。
これ、リメイクしたら面白そう。