2006年にデリー近郊で起きた連続殺人·ニターリー事件がベース。腐敗した警察の様子がメインに描かれ、犯人の異常性は、あっさりめでした。富裕層の誘拐は直ぐに解決するが、貧しい村の子供は行方不明にならないと言い放置する警察。これの意味するものは、殺されてるか売られたかって事。長めの作品なので、犯人の異常性をもう少し深掘りして欲しかったなぁ。インドの闇深さは、伝わって来て見応えはありました。

2005年デリー。プリムと言う男が少女の遺体を包丁で叩き切る。その現場近くでは少女や少年が行方不明になる事件が多発。被害者の親が訴えても汚職警官パンディーは相手にしない。しかし、自分の娘が拉致されそうになってから、真剣に捜査を行うようになって行きます。



ネタバレ↓



パンディーは、セクター36に家を持つ実業家パシとその使用人プリムを疑います。パシは署の警部と旧友で、パンディーの捜査を警部は咎めます。無視すると停職処分になりました。
警部は大富豪の息子の誘拐事件を解決した事で昇進し異動になり、パンディーの停職は解けます。
新たに赴任してきた警視とプリムの事情聴取をするとあっさり、殺人の自白を始める。彼の供述で行方不明だった子供達の遺骨がパシ宅の庭等から大量に見つかった。パシの関与も浮上し、プリムとパシは逮捕された。
しかし、異動になった前警部が、パシを助け、パンディーは再び停職。
パンディーは留置所のプリムと話し、彼の実家にあるパシとプリムが児童ポルノ作成や子供達の殺害に関わっていた証拠のディスクを得たが、前警部の送った刺客に殺された。
彼の死後に部下だった男は、警部補に昇進し、パンディーからの小包を受け取る。中にはディスクが入っていた。

恐らく、部下だった男はディスクを処分するだろう。20年近く前のインド警察の腐敗ぶりを描いたが、肝心のプリムやパシの異常性は、描き方が甘い。恐らく実際の事件で証拠不十分で、彼等が釈放されている為なのだろうけど、私的には消化不良でした。犯人が子供を解体するのも臓器売買してそうなのも全部匂わせで終わる。
また、ヘドロやゴミだらけの用水路から、頭蓋骨や骨が沢山出て来るシーンもあまりの汚なさに恐ろしさより、汚なさが勝っていた。
そして、気になったのは、住民の危機管理意識の低さ。行方不明の子供が多発してる地区で、暗くなってから、子供1人で買い物に行かせるとか意味不明。
あれじゃ、簡単に子供を誘拐出来てしまう。まあ、インドを知るのに参考にはなりました。

2006年に起こった連続殺人事件をベースに作られた映画。実際ではセクター31で村の名前から「ニターリー事件」と呼ばれている。犯人と関与していた実業家も逮捕されたが、17年後の2023年に無罪放免で釈放されている。この事実を踏まえて、この映画を観ると組織の裏が見えて胸糞が悪い。誘拐、殺人だけではなく臓器売買、児童ポルノといったこの世でもっとも残虐な行為が当たり前のように続けられ、財を増やし怖いもの無しの実業家。実行役のイカれた役をした主演ビクラント・マジーの怪演が見所だった。

【書きかけ】題材が題材なだけに、面白いとか面白くないとかは言いにくいんだが　まぁこういう連続殺人物は観ちゃうよね　引きが強いんだもん

出てくる奴、出てくる奴、軒並みクソ野郎ばかり…　国家社会「システム」はインドだから当然、狂いきってる…　そして本作は、インドの現実をそういうものとしてのみ描こうとしている、という意味でのリアリズム…　この姿勢がフィクション映画（実話に基づく）として、どこまで正解なのか…　少々首をかしげる

実際の被害者とその遺族たちにとって、この作品はどんな意義をもつのだろう　インド人がインド映画として作った映画であり、外国人のボクがとやかく言えるところはないんだが、これが正解なんだろか…（例えばボクは、日本映画『月』を思い出したりするのです）

そんなこんなで、本作の映画作りの腕は、全般そんなに冴えてはいない（演出、編集ももひとつだ）　事実の重さのみが「リアリスティック」に投げ寄越され圧しかかる…　そういう作品なんだよな…

※ 現実世界の話…　容疑者二人は、最高裁からの最戻し審でともに無罪になった（捜査方法の違法性が理由）という記事を読んだ…(´・ω・｀)　マジ？