牛猫

goの牛猫のレビュー・感想・評価

go(1999年製作の映画)
3.6
LAとラスベガスを舞台に、麻薬取引に絡む事件に巻き込まれた3つのグループそれぞれの視点で描いた話。

一つの事件を異なる視点から描いた作品はやっぱり引き込まれる。タランティーノよりもガイリッチー作品に近いと思った。
スピーディで話がどんどん展開していって、なおかつ先が読めない。尺も短く見せ方もスタイリッシュ。特に一つ目のラリったマニーと、二つ目の逃亡劇はなかなか見応えがあった。
事態は最悪な方向に向かっていくのにそこまで悲壮感を感じさせないのは、テンポの良さと登場する若者たちのエネルギーによるものかもしれない。後先考えない衝動的な危なかっしさが常に画面から漂っていた。助手席でベタベタ銃を触るところなんか絶対暴発してえらいことになると思った。

ケイティホームズにサラポーリーと、名のある女優が名を連ねているのに小品感が否めないのはどのエピソードも結局丸く収まってしまったのが原因だろう。特に最後の俳優コンビのエピソードが少し弱い。もっと追い込まれパートが深くても良かった。
クリスマスイブの話だからこれくらい救いがあっても良いのかな。

各エピソードの繋ぎも薄すぎず濃すぎず絶妙な塩梅。全てに絡む狂言回し的なキャラクターがいても良かったかもしれない。
牛猫

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