[堂々巡りする家族愛とギョーカイ裏話] 0点
ワースト。ミディ・ジー長編六作目。ジャン・ユエランによる小説『大喬小喬』の映画化作品。若くしたスターとなった女優チャオ・イェンには秘密にしてきた過去があった。家が貧乏だったせいで無戸籍であり、姉の戸籍を使って雲南省のサトウキビ畑からのし上がってきたのだった。そんな姉が妊娠した状態でミャンマーから北京へとやって来て17年ぶりの再会を果たす。しかし、それは単なる再会ではない。一方で、10年来マネージャー兼事務所社長をやっているシェンとの関係は一方的になりつつあり、チャオは仕事を止めたいと思っていた。基本的にはこの家族愛云々の挿話とギョーカイ裏話が交互に語られるわけだが、家族愛云々は無戸籍エピソードを延々と引っ張り続けるだけで面白味はなく、ギョーカイ裏話もチャオが好きすぎるシェンがキモい執着を見せながらウロチョロするだけで、本当に何の捻りもないエピソードが延々と続くという大変中身がない構造になっている。こんな20分くらいの物語を6倍に水増しする苦労は察するが…と思ったら、監督は割と嬉々として自信作撮りましたという感じで"女性の自立が…"とか語ってたので、もうコイツの映画は観なくていいだろう。ちなみに、監督は"女性の自立が"云々と言っていたが、そもそも女優辞めるがってたところに本来の戸籍持ってる姉が来たので、いいタイミングだからそれを言い訳に女優辞めるみたいな物語にしか見えないので、それは自立じゃないのでは…と思うなど。『ニーナ・ウー』もプロデューサーにレイプされた女優が精神不安定になるエンタメというクソ映画だったのを思い出した。出演者登壇回だったのでチケットは即完だったが、これは取れなかった方が勝ち組だろ。また、女優の登壇には歓声が上がっていたが、スマホで撮影してる奴らの大半が上映中にスマホずっとイジってた連中だったし(中国では先日公開されたばかりなので鑑賞済みで登壇狙いなのではと推測)、ユー社長の飲み会パワハラシーンとかで爆笑が起こってたり治安の悪すぎる上映だった。こんな映画のせいで終電で帰るとか、スケジュールどうなってんだよ。