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コワイ女の消費者のレビュー・感想・評価

コワイ女(2006年製作の映画)
2.3
・ジャンル
ホラー/オムニバス

・あらすじ
「カタカタ」
監督: 雨宮慶太(「ゼイラム」等)
主演: 中越典子

バツイチの恋人、田崎との結婚を来月に控える加奈子
近頃、彼には前妻からのしつこい連絡が来ている様で彼女は一度会ってちゃんと話す様に薦める
その晩、別れた後に加奈子が帰宅しているとどこからともなく「カタカタ」と音が鳴りその直後
頭上へと何かが落ちてきて気を失ってしまう
そして目覚めると奇妙な事が起こり始める
真夜中にも関わらず目の前に現れる謎の少女
執拗に襲い掛かる赤い服の女性
俯いたまま動かない集団との遭遇…
訳も分からぬまま、加奈子は逃げ惑うのだが…

「鋼」
監督: 鈴木卓爾(「死刑にいたる病」等)
主演: 柄本佑

自動車修理工として働く青年、関口
ある日、彼は社長の高橋から彼の妹である鋼とデートをするよう依頼を受ける
そして当日、2人の部屋を訪ねるとそこにいた鋼はずた袋を被った異様な見かけをしていた
困惑しながらも関口は彼女とデートを開始するのだが奇妙なのは見かけだけではなく相次ぐ奇行に振り回され続け…

「うけつぐもの」
監督: 豊島圭介(「怪談新耳袋」シリーズ等)/清水崇
主演: 目黒真希

離婚した母、冴子に連れられ祖母の暮らす彼女の実家へと引っ越してきた息子の道男
彼はその夜、家の中で霊と思しき少年と遭遇する
その正体は7歳で謎の失踪を遂げたまま行方不明となった伯父の様だったが冴子に話しても信じる事は無かった
しかしやがて母の様子がおかしくなり始め、その異様さは日増しに強まっていく
強い違和感と恐怖を抱いていく道男
そして彼は同級生から母と祖母は精神病の家系だという噂を耳にし…

・感想
怪異や恐怖を女性縛りにしたオムニバスホラー作品
内容は2話目の「鋼」を除き心霊物となっている

「コワイ女」というタイトルやパケ写からヒトコワ系かな?と思い、それらの不気味さに惹かれ鑑賞したものの正直言って期待ハズレの出来
監督も役者陣がそれなりに豪華なだけに「何故こんな作品に出たんだろう?」という疑問が真っ先に浮かんだ
パケ写がピークと言っても良いほどにB級なので…
マジで金返して欲しい

1話目に出て来る赤い服を着た異形の女性も正体を散々ミスリードしておいて終わりは呆気ない
そのビジュアルも悪い意味で異形過ぎるし顔芸としか言いようのない表情もシュール
展開や芝居も安っぽくつまらなかった
正体に繋がる加奈子を襲った惨劇の元凶は悪くないし、そこに関してはゴア描写(と言っても死亡済みのバラバラ遺体だけど)も割としっかりしていたのに何だかなぁ…と

2話目に関しては「世にも奇妙な物語」のハズレシュール回みたいで最早怖さのカケラもない
香川照之演じる社長の高橋は情緒不安定で気持ち悪くて良かったけど逆に言えば見せ場は他にあまり無かった
奇行に耐えかねて柄本佑演じる関口がずた袋の女性、鋼に反撃する場面も結構バイオレンスなのにグロくも痛々しくもないし純朴で冴えない善良な青年がすぐ反撃に出るのも微妙
その上、正体も明かされずに終わっちゃうし…

唯一、清水崇監督が参加した3話目は王道の不気味な空気が良かったし内容も目新しくはないけどちゃんとJホラーしていて悪くない
霊よりもそれに飲み込まれた母の方が怖く描かれていて、それが最後まで貫かれているのが特に好きだった
怪異の真相も明確には明かされないけど何となく察せるくらいのまま終わるのが逆に気持ち悪い

全体的にシュールさが目立ったし普通に3本目を膨らませてオムニバスでなく1本の昨日に仕上げた方が良かったんじゃないか?というのがどうしても否めなかった
中でも「鋼」は「死刑にいたる病」と同じ監督とは到底思えない…
はっきり言って時間を無駄にした感じがする
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