TakaCine

暴力脱獄のTakaCineのレビュー・感想・評価

暴力脱獄(1967年製作の映画)
4.8
【ニューマン最高‼️】
本作が、ポール・ニューマンの最高傑作の1つと思ってます😌

《ニューマンらしさ全開》
(ニューマンしか演じられない)天使のような無邪気な笑顔と神秘的な碧い瞳、クールでハンサムな男らしさ、茶目っ気と気難しさ、反骨精神と仲間想い…全部ニューマンらしさを表す記号と言えましょう!ニューマンの魅力がいっぱい詰まった映画なんです🎥

この度、大画面で格好良くて愛嬌があるニューマンの勇姿を観ることができて大変満足でした😂🎶

《ちょっと斜に構えて》
世の中のルールに大人しく従わない…反骨精神、屈折した反逆感がルーク(ポール・ニューマン)を含め登場する男たちの心にありますね!いかにもアメリカン・ニューシネマ的な題材です。

「理不尽なことには、絶対に屈服しない」

規則規則の刑務所の中を、クールな態度で反逆してみせるルークを、いつの間にか周りの男たちが偶像化し声援していきます👏

でもそれって格好良い生き方に見えますけど、反抗した分を痛め付けられるわけで(刑務所だから懲罰を受けるし)、決してスマートな生き方じゃないんです。大人しくしていた方が無事に切り抜けられるのに…

って考えないんですよね!
ルークは😉計算をしない

体制側から見たら、扱いづらい男なんですよね😅

無謀すぎる反抗の裏にあるルークの深意には、母親との長年のいざこざ、帰還兵としての絶望が影を落としていることが分かってきます。

ルークがしょうもない理由で捕まって刑務所に行ったのも、伝説の名シーン(食いまくるやつ)も、繰り返す脱獄さえも「俺は絶対屈服しない」を現すポーズにすぎない。と共に「行き当たりばったり」なところなどが、ルークの闇「俺には行き場がない、俺はどうなってもよい」という絶望を指し示しているようで、観ていて辛くなりました😰

体制に歯向かって…という描写に宗教的な殉教者のイメージが重なって見えてきます(キリストの磔刑にみえるカットあり)。

必死に立ち向かう→打ち負かされるを繰り返して心が絶望でいっぱいなルーク、神を否定し…それでも「神はいないのか?なぜ助けてくれないのか?」と自問、ボロボロになっても笑って反抗するスタイルをやめない。俺は最後まで笑ってみせる!そんな人間の痩せ我慢。

ルークの打たれ強さ、自由を追い求める姿、いかにもファイティングスピリッツな人物像に心を打たれます😂

刑務所内なのに、体育会系の男子高校生ノリな受刑者たちが微笑ましい(見事に単純、だけど連帯感が凄いw)で、どこか牧歌的な雰囲気も大好きなんです😁

ラロ・シフリンの劇伴が良い!

スプーンで皆が飯をひとすくいするシーン、ルークがバンジョーをつまびくシーンに男泣き😭

《俳優に関して》
映画の殆どが半裸の男しか出て来ない男臭い映画(笑)

汗臭いし、男臭い世界観。

その男臭い集団のリーダ的な存在、ドラグライン役ジョージ・ケネディが素晴らしい(アカデミー助演男優賞受賞)!まさにジャイアンでしたね😉♪

若い頃のデニス・ホッパー(舎弟感バリバリ)、ハリー・ディーン・スタントン(歌が上手いやん)が出て来て嬉しい!

それにしても、これほど圧倒的な名演なのに、本作でニューマンにアカデミー主演男優賞を贈らなかったのが謎ですね🤔

《邦題が酷い》
「暴力脱獄」(原題:Cool Hand Luke)
この邦題、意味が分からないし、ダサくないですか😢

この邦題タイトルは好きじゃない、そこは残念です。

🎥「テアトル・クラシックス ACT.2 名優ポール・ニューマン特集」にて鑑賞
TakaCine

TakaCine