いまおかしんじは俳優に自然に歌わせるのが一番うまい。　
俳優たちそれぞれの役もフィットしている。当て書きによるものか即興によるものか。　
例えば妻にイライラしている男がご飯を食べながら話していて、口からこぼれた米粒をすぐつまんでまた食べる瞬間。例えば母親に問詰されその視線をそらすために母親の背後に周って肩叩きをするシーン。

田舎の農家のあるある事件
そんな事件なんだけど、その終末は夫婦愛が溢れて感動
奥野瑛太さんのダジャレが、効いてる

ある夫婦のひと夏の出来事が、観てるぼくらのこころにぶどうのような瑞々しい果実を残してくれる、そんな作品でした。
観たあとほんとに幸せな気持ちになったし、あたりまえの人々のあたりまえな気持ちがまっすぐに描かれていてとても素敵な作品でした。
あべみほさん、奥野瑛太さん、佐野岳さん、小原徳子さん、それぞれの役者さんもあたりまえの気持ちをときに優しくときに力強く演じていてとても引き込まれました。一見してテーマは重そうですが、身構えずニュートラルな気持ちで楽しめる素敵なハッピーな作品でした。