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幸福な結婚記念日の青のレビュー・感想・評価

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)
4.0
ある人物の面白おかしい行動が別の人物の面白おかしい行動のきっかけをつくり、その面白おかしい行動が更なる別の人物の面白おかしい行動を導き、この時の面白おかしい行動は始点となった最初の人物の行動に影響を与える…という行為の連鎖と合流があった。それぞれの人物がパズルのようにはまっている(ピタゴラスイッチ)。
数多くの人物を登場させて、数多くのカットを挿入しておきながら、13分という短い枠のなかで、極めて明快かつシンプルに物語を完成させているのが素晴らしい。タイトルの「幸福な」は通常の意味からすると逆説的な響きを持ち、素直に観れば「全然幸福じゃないじゃん笑」と微笑ましくなる。だが、「『幸福』と形容されない日常こそが幸福なのだ」という意味で、その微笑ましさこそが幸福の一部であると読むことも出来る。面白かった。
あと、シンプルに、運転技術の高さに脱帽した。
青