ジョン・ウィックファンとしては、あの時あの場所で裏では実はこんなことが起きていましたと知り楽しめるドキュメンタリー。

制作から撮影、プライベートまでジョン・ウィックは色んな痛みに耐え強くなった最強映画だと痛感。

試写では誰も見向きもしなかった。いざ公開が決まったらヒットしてやろうと、映画自体も復讐に燃えるまさにジョン・ウィックだった。

キアヌ曰く、三作目がクランクインして間もないある日、膝を痛めて座り込んでいる彼のところにやって来た監督のチャド・スタエルスキが一言“Wick is pain”…まあチャドの方は「覚えてない」みたいな顔してたけど。

で、本作を視終わっての感想を一言で表すと「く、狂ってる…‼︎」

いやもうね、準備段階でのトレーニングで既にアザだらけ、擦り傷切り傷だらけになってるキアヌの姿とか見せられたら、「もう終わりにしよ、あとはスピンオフ展開だけでええやん」ってなるし、本人も一作目の時からクランクアップする度に「これ以上は無理ッ」て言ってて四作目の時には「頼むから(ジョンを)死なせてくれ」って直訴した筈なのに、もうチャドと五作目やりたいとか話してるの、頭打ちすぎたんか？

キアヌがそんなんだからスタントチームも大概無茶苦茶で、三作目ラスト近くで撃たれたジョンが落下するシーンのスタント、ワイヤー無しで二箇所張り出しにぶつかりながら📦の山に落ちるという「香港映画かよっ！」ていう荒技(さすがに七階じゃなくて四階ぐらいの高さだが)、最初のテイクで変な落ち方して「ヤバッ」て空気が漂うも、スタントマンが大丈夫アピールした途端に「じゃあテイク2行こう」ってなるの、「コイツら絶対ドーパミンジャンキーやろ」て恐ろしくなった(真面目な話、「大事無い」と本人が思ってても頭蓋内出血してる可能性だってあるんやし。まあ本作ではそのシーンを演ったスタントマン自身が当時を振り返って語ってるんで大丈夫だったと分かってるんやけど)。

そんな訳で貴重な証言や映像の詰まったファン必見の2時間！ではあるんだが、序盤にチャドがアクション映画業界デビューした経緯とかデヴィッド・リーチやキアヌとの出会いとかについてそこまで時間割かんでもええんちゃう？とは思ったぞ。ジョン・ウィック一作目の話に入るまでに20分近く使っとるし。

おまけその1:一作目が資金難で頓挫しそうになった時に出資して危機を救ったエヴァ・ロンゴリア、当時の年収の半分に相当する額をポンッと出したというのだから恐れ入る。某ラッパー兼評論家風に言うならば「『デスパレートな妻たち』なくして『ジョン・ウィック』シリーズ無し！」

その2:四作目の現場に於けるドニー師父の振る舞いが想像通り(自分のアイディアをどんどん口に出していってアクションの内容を変えさせた)なのは笑った。まあそっちの方が良さそうだと皆んな納得してのことだろうが。

視聴方法教えてください