shxtpie

イリュージョン?のshxtpieのレビュー・感想・評価

イリュージョン?(1974年製作の映画)
-
「田舎で暮らす子どもたちの前に現れた魔法使いが、 自然のものを次々と工業製品に変える。音楽を初めてノルマン・ロジェが担当し、以後はバック作品に欠かせない存在となる」という。これは素晴らしい! 自然や動物と戯れる群像としての子どもたちが動き回る無垢な前半からして圧倒的なのだけれど、そこに突然現れる手品師のような魔法使いは、色合いからなにから、見るからに異質で不穏。そして、彼の魔法だか手品だかは、動物や自然を人工物へと次々に変換していく。魔法使いや彼の魔法が象徴しているのは、近代合理主義、テクノロジー、資本主義など。それらが自然を覆いつくし、最後には子どもたちの否認によって自然に回帰していく素朴な結論だが、その映像的な対比などがとてもいい。生命讃歌。動く絵本のようだった。
shxtpie

shxtpie