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JAWS/ジョーズのshxtpieのレビュー・感想・評価

JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)
3.0
ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファスが、いい味を出している。ドレイファスがスティーヴン・スピルバーグの分身なのは誰の目から見てもあきらかで、それは『未知との遭遇』でも同様。『ジョーズ』の時は、見た目が似すぎている。

前半は、ホラーな演出が思っていたよりも効いている。シャイダーにずいずいっと迫る『めまい』ショットが使われているのは謎。とはいえ、スピルバーグ映画は、画面が総じて退屈で見ていられないのが難点。

言うまでもなく、ボブ・マテイなどによる特殊効果は、ものすごい。どうやって撮ったのかがわからないシーンも多い。赤、つまり血の色のショッキングな用いかたなど、うまく設計や構成がされていて巧みだけれど、美的ではまったくない。

あと、もっとパニックホラー的な感じかと思っていたら、意外とそうでもなくて、あの有名な音楽もそれほど目立たずに、後半はメルヴィルの『白鯨』やヘミングウェイの『老人と海』、あるいは相米慎二の『魚影の群れ』のような水上、船上でのモンスター=巨大で獰猛なホオジロザメとの格闘の物語になっていくのが意外だった。

日本語版のウィキペディアが意外と充実していて、『ジョーズ』の批評や読みとき、それとプロモーションの方法が新しかった(今では当然のやりかただけれど)ということを知ることができて、ためになってよかった。
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