月イチヒッチコック、今月は「三十九夜」。
イギリス時代の最高傑作とも呼ばれる本作は初めて。いったいどんな夜なのかと楽しみにしてみれば、原題は「39steps」。はて?
何をしている人かもよくわからない主人公の男。逆ナンされた女はなぜだかスパイで殺人容疑はかけられるわ、秘密を暴きに行ったら銃殺されかけるわ、警察に助けを求めたら逮捕されるわ、巻き込まれ型サスペンスとは言え巻き込まれすぎにもほどがある。しかも半分は自分から行ってるやろww
と、あらすじを文章で書くと他愛のないストーリーなのであるが(だからあらすじはキライなのだw)(まだ言うかw)、実際には映画を観ている最中はそんなことはどうでもよくなる。
いや、どうでもいいことはないのだけれど、それを考えてる暇さえないくらいあまりに次々といろんなことに巻き込まれていき、しかもそのディテールが半端なく凝っているのでただ追いかけるのに必死だ。ボクなんかではおよそ知る由もないところでおそらくは全く無駄というものがないのだろう。
登場人物の仕草、モノクロフィルムに焼き付けられた陰影のある表情、小道具から背景まで、何もかもがまるで意味のあるように見えてくる。だから、飽きない。
これが戦前、今から85年も昔に作られていたとは俄かに信じがたく、映画にはあらすじではなく、演出がいかに大事かをあらためて思い知らされることとなった。
未だ見ぬヒッチコック作品がたくさんあるとは、なんて幸せなことなのだろう。
ところで、いくらネットで調べても三十九「夜」の意味に言及したものは出てこない。
字幕でも「39階段とはなんじゃ‼️」と叫んでおり、決して「39夜とは⁉️」と言ってない。
このような邦題にすることで、なにかサスペンス色を強めたかったのだろうか。それにしても意味がわからなすぎる。
ん。待てよ?
そっか、だからマクガフィンなのか❗️ww