公開直前に東北大震災が起きて、公開中止となった曰く付きの作品。4年の時を経て復活公開。
1970年代に中国で発生した20世紀最大の唐山大地震。死者が24万人と途方も無い数の人々が、犠牲になりました。
唐山で幸せに暮らす家族4人、父・母・双子の姉弟。その地震により夫は妻の身代わりとなって死に、双子の救出にはどちらかしか助けられない残酷な選択に、母親は息子を選択する。その後死んだと思った娘は蘇生し養子として暮らしていた。。。
冒頭の地震発生のシークエンスは、息をのむ衝撃で阪神大震災で被災した私にも当時の記憶がフラッシュバックするような凄まじさでした。
地震そのものを描いたディザスター映画ではなく、地震の後、バラバラになった家族の32年の時の流れ、別れや出会い、どんな事があっても家族は家族であろう絆を丁寧に描いています。
息子か娘を選ぶ残酷な選択を余儀なくされた母親の壮絶な人生。見捨てられたと思った娘が32年後に母親と再会、涙なくして見れません。
地震の影響で見る人が限られるのは非常に残念です。地震の悲劇を風化させない、後世に教訓を残すべく鎮魂の作品だと思います。
ネパール大地震を含め世界中の地震で亡くなった方々のご冥福をお祈りします。
2015.5.1 横川シネマ