kazuかず

靴ひものkazuかずのレビュー・感想・評価

靴ひも(2018年製作の映画)
4.5
おそらく初のイスラエル映画🇮🇱

世界中の映画を観ることが好きですが、また異国の素晴らしい映画に出会いました😊

イスラエルといえば、地中海に面した東方に位置し、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教という3つの大きな宗教の一大聖地エルサレムがある国ですね。歴史上、様々な迫害を受けてきたユダヤ人が大多数を占めて暮らしています。パレスチナ問題などを背景に様々な衝突も起きており社会的に不安定なイメージもありますねよね〜🪖

しかし、この映画は宗教の話も無く、政治的な背景も一切ありまでせん。

純粋な人間ドラマ、家族そして友情のドラマでした。

主要な登場人物は3人。シンプルです。

⭐️ガディ…50歳、発達障害、映画の冒頭で最愛の母を亡くす。
⭐️ルーベン…ガディの父親、30年前に妻とガディと別れ、車の整備工場を営む。
⭐️イラナ…ガディのソーシャルワーカーで、ルーベンにガディを預かるよう依頼。

ストーリーは、下記に引用したあらすじにも記載してますが、母の死をきっかけに30年疎遠になっていた発達障害の息子ガディを実父のルーベンが仕方なく預かり、一緒に生活していくうちに2人が打ち解け、お互いに無くてはならない存在になる。

まぁありそうな話です。

その過程で、ルーベンに重病が見つかります。
ガディを残して死ねないし、死んだら息子はどうなるか🤔
イラナに恋心を持ち良い関係を築けている矢先に。。

この辺りは、ジェット・リーが主演の『海洋天堂』という秀作があるのですが、それを思い出しましたね🤔ただ、『海洋天堂』とちがうのは、今作の主人公ガディが父親の重病を理解し、自分なりに苦悩するんですよね。

発達障害のガディは、底抜けに明るいし人を思いやる心も持っている。

『親と子はいつまでたっても親と子』という人もいれば、
お互いに歳をとり『親子の関係から友人の関係』になったという人もいるでしょう。

この映画のルーベンとガディの関係は、訳あり親子なのですが、物語が進むうちに真の親子そして親友となるんですね。

終盤の展開が予想外で少し驚きましたが、そのシークエンスがこの映画により深みを持たせたかと思います。


この映画の題名にもなっている『靴ひも』

ガディのスニーカー👟の靴ひもを指してますが、映画の中で3回靴ひもを結ぶシーンが登場します。

イスラエルだけなのかもしれませんが、発達障害の方が自立出来るかどうかの指針で『靴ひもを結べるか?』というのがあるようです。

3回とも重要かつ違う意味合いがありました。
3回目は、ガディの進む人生を占う靴ひも結びであったかと🧐


主演のネボ・ギムヒさん。
見た目は、スペインの名優アントニオ・バンデラスです🇪🇸
発達障害の男性を渾身の演技で演じてます。
あの演技はそうそう出来るものではないし、感心しました😳

地味な作品ですが、心が温まるオススメ作品です。


追伸
 イスラエル映画を調べたら過去に『オオカミは嘘をつく』というサスペンス映画を観てました😊
kazuかず

kazuかず