桜桃(おうとう)=さくらんぼ🍒
夢にも思いませんでしたが、この映画の題名であり重要なセリフである『桜桃の味』
桜桃とは何ぞや?と調べたらさくらんぼの事で、おーっと唸りました🤔
知ってました?
と、前置きは置いておいて、本題の映画の内容ですが、とても良かった😊
話は非常にシンプル。
あらすじにも書きましたが、以下の通り。
『土埃が舞う道を走る1台の車。運転する中年男バディは街行く人々に声をかけては車内に誘い入れ、多額の報酬と引き替えに自殺を手伝って欲しいと依頼する。』
98分の上映時間の中で、8割は車の中ですね🚙
バディの自死の方法は、以下の通り。
『自身が山に掘った穴に夜のうちに横たわり多量の睡眠薬を飲み、依頼相手が朝6時に来て声をかけ返事があれば助け起こし、なければ土をかけるというものである。』
バディが死にたい理由は一切分かりません。
車に乗せた3人にも理由は話しません。
職業も違うし考え方も違う3人との会話劇。
・若いクルド人兵士
・アフガニスタンの神学生
・トルクメンの年老いた剥製士
最後に乗せた年老いた剥製士とのエピソードが、映画の残り40分ぐらいで始まるのですが、そこからがこの映画の真骨頂であり肝でした。
歳を重ねた人の言葉には、グッと心を持っていかれるものがありますね。
どの言葉も名言の域。
全ての言葉をメモしたくなりました✍️
『誰にだって悩みはある。悩みがあるからといって自死を選んでいたら、この世から人は居なくなる』
『あんたの目が見てる世界は本当の世界と違う。見方を変えれば世界が変わる』
etc
ホンマその通りですね!
見方を変えることの大切さ。
狭い範囲でしか物事を捉えていないこと。
この世には、美しい風景(朝焼け、夕焼け、星空)、美味しい果物がある。
バディの自死の成否はどうなるのか🤔
気になりますよね。
この映画のラストは呆気にとられますが、その感性は監督ならではのものでしょうか。
『死ぬまでに観たい映画1001本』という本を持ってるのですが、その中の一本に『桜桃の味』が掲載されてました。
その本からの引用ですが、『キアロスタミ監督は風景をバックに寓話を撮り、謎の部分を観客の想像力に委ねる天才』と書かれてました。
全く同感💡
ジグザグ道3部作『友だちのうちはどこ』に続く『そして人生は続つづく』『オリーブの林をぬけて』もそうなんですよね!
観客の想像力に委ねる映画って、モヤモヤするかもしれませんが、自分は好きな手法です😊クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』やアスガー・ファルハディ監督の『別離』なんかもそうでしたね。
この映画、1997年の第50回カンヌ国際映画祭で今村昌平監督の『うなぎ』と共にパルムドール(最高賞)を受賞したそうです。それも納得の感慨深い作品でした。
ホンマに観て良かった。
これぞ死ぬまでに観ておくべき映画の一つかと思います🙌