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母の聖戦/市民のkazuかずのレビュー・感想・評価

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)
4.0
オンライン試写会で鑑賞させていただきました。

ダルデンヌ兄弟作品がすごく好きなのと、『ニューオーダー』や『ある終焉』などの鬼才ミシェル・フランコが製作でタッグを組んでいるということで非常に気になっていた作品です。

メキシコで蔓延する誘拐ビジネスという犯罪が背景にありますが、恐ろしいですね。
日本では考えられない世界です。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ボーダーライン』でも恐怖を感じましたが、世の中にはこんな恐ろしい犯罪があるのが現状なんでしょうね。

ダルデンヌ兄弟が描く庶民の生活✖️ミシェルさんお得意の不穏な雰囲気が混ざるとこんな映画になるのかと。

子を持つ親なら、子が誘拐されたら血眼になって探すのは当然。
ただし日本は警察がしっかり調べてくれます(くれますよね?)が、メキシコは当局が信頼ならないし調べてもくれないのが実際なのか。

映画の冒頭で一人娘のラウラを誘拐された母シエロ。
シエロは必死の形相で行方を探る。
警察ではなく軍の協力を得るものの娘はなかなか見つからない。
絶望の中で一縷ののぞみをかけて奔走する姿に絶句でした。

自分がそのような境遇に置かれたらと思うとやるせない気持ちになりますね。

非常に見応えある作品でした。

ラストシーンが秀逸。
この映画が絶望で終わるのか希望で終わるのか映画を観て確かめてください。
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