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人間の証明のkoyaのレビュー・感想・評価

人間の証明(1977年製作の映画)
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タイトルは有名で知っているけれど、未見だった映画シリーズ。

佐藤純彌監督は、私の中では大作監督というイメージ。
この映画が公開されたころ、私はまだ中学生で映画に行くようになっていません。この後の佐藤監督の『野生の証明』は、映画館に観に行きました。
私の中ではギリギリすれすれで見てない時期なんです。

大ヒットしたのを覚えています。主題曲のジョー山中さんの曲とか。
とにかく角川映画は宣伝がハデでしたが、今と違うのは、本当にヒットして映画館は人でいっぱいだったということ。

松本清張と森村誠一といえば、もう社会派サスペンスの2大巨頭であります。でも、私は松本清張ものは好きなんだけど、森村誠一作品って読んだ事がありません。
実際、会社員の経験のある森村氏の書く小説は、企業小説が多くてまぁ、中学生の私はあまり読まなかったと。

この映画は大々的なニューヨークロケをしているのですが、きれいきれいなNYではなく、ハーレム街とか汚い貧しい部分を多く撮っているのが特徴。

なんというか、私は松本清張の『砂の器』の方が好き。
どちらも、悪意ではなく、やるせなさ、仕方ないのに・・・という余韻を残しますが、美しさの方で言うと野村芳太郎監督の方が美学があったと思う。

事件を追う一匹狼の刑事、松田優作は一度も笑わず、ギリギリと追い詰めていく。これが別の監督だったら、個性出すんでしょうけど、職人的に監督しているのが逆に正解かも。

さすがお金をかけた映画。出演陣も豪華。
主役だけでなく、脇役も金持の馬鹿息子役といえば、この人、岩城滉一。
なんかハンサムというよりひねくれた感じのする青年で、年取ってからの方がかっこいいという稀有な男優さんですね。

調べたら、色々な人でリメイクされているんですね。
松田優作がやった刑事役を、渡辺謙、竹野内豊、藤原竜也などなど・・・でも俳優の豪華さではこの映画が一番。
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