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『PARTY7 2Kレストア版』に投稿された感想・評価

van
4.0
【石井克人ワールド ー30th Anniversaryー 】①


「珍味」系への癖を増長させた、珠玉の一本!🤣🤣


◆ こんな方におススメ ◆

◎クセ強な人物の、とりとめない話を愉しみたい方
◎洗練された「語り口の妙」に、腹を捩られたい方

✖密度の高い「起承転結」を求める方は、不向き



◆ 事のあらまし ◆

三木は、ある目的を胸に古ホテルにたどり着く。
やがて、彼の元カノ、彼女の婚約者が集結する。
さらに、アニキ分と組の若頭が場をかく乱。

裏には、その混沌の部屋を覗く二人の人物がいた。



◆ 総評 ◆

劇場二回目。
リアルタイム視聴済み。
私にとって、非常に重要な作品だ。



時は、2001年の元旦。
世間は、初売りとおせち、
ハートフル映画が街を占める中。

二つの映画のどちらを見るか、
私は大いに悩んでいた。

一つは本作品『Party7』。
一つは『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。

悩みぬいた末に、本作を決断。
結果、最高の正月を迎える事ができた。



正直、言語化が難しい作品だ。

ストーリーラインを取り出すと、
ほぼ何も起こっていないからだ。

内容が無いように駆け抜ける中、
本作は「語り口」だけで満たして行く。

逆に言えば、好き嫌いが大きく別れる部分だ。
独特の「間」や「ニュアンス」が掴めないと、
本作を愉しむのは難しいかもしれない。

「間」や「ニュアンス」は、言葉で語れない。
語れば語るほど、空を斬ってしまう。

だが俳優陣が、解像度の高い演技を発揮する。
コミカルながらも、変で奇妙な人物を熱演。

個性の強すぎるキャラ達が、
所せましとその魅力を発揮して行く。



監督は石井克人氏。
CMディレクターとして、広告映像を制作。

2001年公開のテレビドラマ、
「世にも奇妙な物語 SMAPの特別編」
木村拓哉主演『BLACK ROOM』脚本・演出を担当。


オープニングの鮮烈なアニメは、小池健氏。
音楽はジェイムス下地氏が、それぞれ担当。

後に同じタッグを組む、
『LUPIN THE IIIRD』や、
『REDLINE』で全開になる鋭い感覚。

これが若さと粗さを残して、
ぎゅっと詰まっている。



◆ クセの強いキャラへの、演技と魅力 ◆

クセの強いキャラ設定と、
俳優陣の解像度の高い演技。

これが魅力の一端だ。

三木(永瀬正敏):主人公。
カナ(小林明美):三木の元カノ。

二人は「割と」標準的な人物の為、
紹介は割愛する。


・トドヒラ(岡田義徳):カナの婚約者
 独特の話し方、センテンスの詰まり方。
 早口で捲し立てる口調が、リアルに映る。


・ソノダ(堀部圭亮):三木のアニキ分
 地方を感じさせる、語尾の訛り。
 明瞭かつ、らしく際立たせるのがプロの技。


・イソムラ(我修院達也):組の若頭
 強烈な動きのインパクトで全て持って行く。
 出た瞬間やセリフの端々に、腹が捩れた!


・オキタ(浅野忠信):窃視症に苦しむ青年
 変態的な感じを、動作ではなく、
 空気感やオーラ、奥に秘めたムードで表現。
 危うさを残す目線に、感嘆の息が漏れた!


・キャプテンバナナ(原田芳雄)
          :のぞき部屋の主
 珍妙極まる謎の怪人役がまさかのヒット。
 ギャグとシリアスの狭間で、脳がシビれる!

 訃報の折に「X」上で、キャプテンバナナの
 別れを惜しむ声が多数あった事が、記憶に新しい。 


他にも従業員や、坂上のオバちゃんなど。
少ししか出ない人物達の演技も、見逃せない。

本作の人物達は、会話の何気ない一言に、
向きになって突っかかって行く特徴がある。

それぞれが闇と爆弾を、心に抱えている。
その闇と爆弾が、最後にどう爆ぜるのか。

作品の大きな見どころである。



◆ 「語り口」の妙味 ◆

ファーストカットの三木のトイレから、
すでに珍妙な間と空気が、場を支配する。

旅行代理店の女店主と、彼のやりとり。
「いいでしょ?」「いい!」
それだけの言葉が、
それ以上の情報を感じる不思議さ。

やがてホテルの従業員の、
信じる、信じていないの話。
これが、しょーもないケンカに移る。

この「信じる・信じない」は、
別の場所でも接続される、重要な軸だ。



メインとなる、ホテルの部屋。
そこを覗く事ができる、のぞき部屋。

この二重構造が、作品の肝でもある。

二つの部屋がどう収束するのか、
予断を許さない面白さ。

ホテルの部屋では緊迫した話になる中、
のぞき部屋では「のぞきベスト10」が
繰り広げられる妙味など。

二つの異常を眼で味わえる、
観客視点がたまらない。



のぞき部屋で、
股の広げ方を伝え合う場面。

ここは、本当にくだらない。
内容が何もなさすぎる。

しかし、具体的な体勢の広げ方を熱演され、
間と間が織りなすバカバカしさに脳から煙。

それが二人の交流を生んでゆく展開も、
ギャグとシリアスが混合する面白さだ。



「キャプテンバナナ」が「オキタ」に、
「変な目で見ているだろう」というセリフ。

自己と相手への洞察が見て取れ、
鋭い説得力を生んでいる名場面だ。

「思ってないです」
オキタがそう否定する中。

「じゃあどう思いましたか?!」

人物のいでたちと、俳優が語るトーンの中。
「オキタ」の長い沈黙が、極上の肉汁だ。

こういった、見えない部分をどう味わうか。
まるでドーナツの空洞を味わうような感覚だ。



◆ さいごに ◆ 

どちらかと言うと、
コントや舞台劇の感触に近い。

しかしオバちゃんの、
突然の早回し映像もあり。
アニメ的な動作・所作の演技。
洗練されたアニメパートの存在。
スリリングに決まる、音楽の白熱。

これらが映像でしか表現できない、
編集のリズムが拍を構成し、映画として決まる。



クセ強キャラにかき回され。
物語は混乱と混沌が極まった中で、
二部屋がどう交わるか、交わらないのか。

その時感じた体の揺れは、
背筋の震えか、腹の捩れか、区別がつかない。
だけど、そんな事はどうでも良かった。

私の常識を揺らしてくれた事に、
ただ感激が募っていた。

今の目で見るとたしかに、
満足に足らない点も多いだろう。

でももし、この作品が無かったら──

私の「珍味系映画」の大半は、
きっと出会えていない気がする。


「股間をアツくする前に、
   ハートを燃やすんだよ!」
       ──端役の精神科医(大杉 漣)


2025.12.10. ヒューマントラストシネマ渋谷
4.6
壮大な前フリ
5.0
ほんとのほんとのほんとのほんとに笑った
マジで面白かったどうしよう